ニュース

GHG削減貢献量に関する新指標を策定
~Science Based Contributions~

2023年06月15日

住友化学は、このたび、当社製品・技術のカーボンニュートラル(CN)に対する貢献度合いをより明確に示すため、新たな指標として「Science Based Contributions」(以下、SBC)を策定しました。温室効果ガス(GHG)排出の「削減貢献量」を算出して可視化し、製品・技術を通じた社会全体のCN実現に向けた取り組みを加速させます。

住友化学は、2015年より、製品ライフサイクル全体の視点で、気候変動対応や環境負荷低減などに貢献する当社グループの製品・技術を自社で認定し、その開発や普及を促進する「Sumika Sustainable Solutions」(以下、SSS)の取り組みを進めてきました。22年度にはSSS認定製品・技術数は66、売上収益は約6,800億円に達し、全社売上収益に占める割合は24%まで拡大しました。

SBCは、当社が販売・供与したSSS認定製品・技術の活用を通じて、社会でどの程度の量のGHGが削減されたかを定量的かつ科学的に算定するもの1です。対象製品の製品カーボンフットプリント(CFP)2や販売量、ライセンスプラントの生産能力を基に算出した数値であり、算出方法は外部有識者により確認いただいております。

現在、GHG削減貢献量算出に関するルールなどの議論がグローバルで活発化しています。当社は今後、SBCを通じて各方面でのGHG削減貢献量に関する議論が深まることを期待しています。

【SBCを用いたGHG削減貢献量の算出方法】
以下の①~③の考えに基づき、対象製品のCFPや販売量、対象技術のライセンス供与先プラントの生産能力を基に算出する手法を採用しています。

SBCは、SSS認定品の中から、確実にGHG排出量削減が見込まれる技術や最終製品を厳選した上で、ライセンシーやユーザーにおける社会での削減貢献量として算定しました。22年度のSBCの実績3は、「技術」で270万トンCO2e(二酸化炭素換算値、以下同じ)、「最終製品」で560万トン、これらの合計で830万トンとなっています。

住友化学は、社会での当社製品・技術の貢献に関して、SBCを用いてステークホルダーの皆様への積極的な情報開示を通じて理解促進に努めるとともに、世界のCN実現に向けた取り組みを推進してまいります。

※1 当社はScope1および2について「責務」として自力で削減に取り組む一方、SBCはこれとは一線を画し、当社技術・最終製品の他者提供を通じて社会のGHG排出量削減への貢献を見える化するもの
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:工場外からの電力・熱の購入などによる間接的な排出
※2 原材料の調達から製造や使用、廃棄に至るまでの製品ライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガスの排出量をCO2排出量に換算して表したもの
※3 2022年度の該当技術・製品に関する算定の考え方は次のとおり
   <技術>プロピレンオキサイド(PO)単産法は塩素法等の他製法平均と、塩酸酸化法は食塩電解法と比較。
                             ライセンシーにおける削減貢献を算定。
   <製品>メチオニンは、無添加飼料と比較。鶏排泄物中のN2O削減貢献を算定。
       スミソーヤは、大豆栽培における従来農法と比較。米国での不耕起栽培による削減貢献を算定。
       種子処理剤および水稲箱処理剤は、従来農法と比較。使用回避できた農薬による削減貢献を算定。

以上

お問い合わせ

住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部
https://www.sumitomo-chem.co.jp/contact/public/