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研究報告

住友化学 技術誌  1998 - I (1998年5月25日発行)

高ノックダウン活性を有する新規ピレスロイド“プラル®”の開発

プラル® は当社が開発した新規化合物イミプロトリンを50%含有するゴキブリ用ノックダウン剤である。プラルT® (原体)、プラルC® (エアゾール)とともに1996年秋に薬事法製造承認を取得したものである。
本剤は衛生害虫、特にゴキブリに対して極めて高いノックダウン活性を有し、ユーザーを充分満足させ得るものである。
本稿ではプラルTの研究の背景と経緯、作用特性、MUP(プラル)の開発経緯、製剤と効力、物化性、安全性などについて紹介する。
( page 4~15 by 平野雅親、松永忠功、金子秀雄、古田リツ子、横井重喜、横井重 )

帯電防止ハードコートアクリル板の開発

MR-AS板はハードコート層に特殊な帯電防止剤を入れ、表面硬度、透明性、帯電防止性能を持たせた板であり、透明性に優れるが、耐久性と帯電防止性が少し弱い。
スミエレックは永久制電板であり、耐久性、帯電防止性に極めて優れているが、透明性が少し劣る。
スミエレックFTは、スミエレックの透過率を改良したもので、耐久性、帯電防止性、透明性に優れた永久帯電防止板である。
( page 16~22 by 康乗幸雄、落合伸介、中川佳美、山本努、山本努 )

ピリジン塩基類とその製造法

ピリジン塩基類は、その生体親和性から、医薬・農薬の骨格成分の原料としてますます重要なものとなっている。当社では、分子形状選択性の高いゼオライトを修飾した触媒と新しい脱コーキング(再生)法の開発により、有用なピリジンおよびピコリン類の収率を高め、しかも触媒寿命の長いプロセスの工業化に成功した。
本稿では、これらの検討例の一端を、ピリジン塩基類の一般的な用途、合成方法と共に紹介する。
( page 23~30 by 阿部伸幸 )

均一系オレフィン重合触媒の研究動向と展開

オレフィン重合用メタロセン触媒の最近の研究動向をプロピレン重合触媒を中心に概説するとともに、最近特に研究が活発となってきている非メタロセン触媒の研究動向として当社で開発したビスフェノキシ型錯体の特性や、Ni、Pdなど後周期遷移金属錯体触媒の特性などを紹介した。非メタロセン触媒はポストカミンスキー触媒として、特にこれまで知られていない新しいタイプのポリマー合成にとって有力な武器となりうると思われる。
( page 31~45 by 宮竹達也、今井昭夫 )

芳香族硫黄化合物の新規合成法の開発

芳香族硫黄化合物は医薬、農薬、高屈折率素材、酸化防止剤など高機能性物質として重要性を増している。他方、芳香族硫黄化合物の合成技術に関しては、従来法では化合物毎に有利な製造方法を採用していたために、汎用性に欠けていた。本技術は、アルキルメルカプタンを硫黄源として用い、「チオアルキル基の導入と硫黄-アルキル結合の開裂」の基本的に2つの工程から成る、高機能性芳香族硫黄化合物の汎用的新規合成法の開発に関するものである。
( page 46~50 by 五田博、加賀野宏和 )

New-TOPS21の開発

生物環境科学研究所では大型汎用コンピュータをホストコンピュータとする毒性試験データ処理システム:New-TOPS(New-Toxicity data total Processing System)をパーソナルコンピュータによるクライアント/サーバー型の新システム:New-TOPS21に再構築した。
本稿では、システム再構築の経緯および再構築による 効果ならびに新システムの特徴について述べる。
( page 51~56 by 松本安雄、磯部直彦、川崎一 )

クリーンルーム空気の品質管理 -化学汚染物質によるトラブル解決-

クリーンルーム空気中の粒子清浄度が著しく改善されたのに対し、有機性ガスなどの分子状物質による汚染はほとんど対策されていない。半導体など集積度の高密度化が進展するに伴い分子状汚染が問題視されてきている。この分子状汚染物質に焦点をあて、その発生源と半導体などの製造工程に及ぼす影響、クリーンルーム内空気中の分析・評価方法、シリコンウェーハ表面への付着挙動、汚染防止対策例などについて紹介する。
( page 57~67 by 藤本武利、竹田菊男 )

MALDI-TOFMSの精密化学品への応用

最近の質量分析技術の進歩はめざましく、マトリクス支援によるレーザー脱離イオン化(MALDI)法と呼ばれるイオン化法の開発により、昔は想像もつかなかった分子量が万を越える高分子化合物も分析対象となってきている。有機工業化学の分野においても、この方法を用いて質量分析による合成高分子の構造解析が可能になりつつある。
本稿では、このMALDIとMALDIに適した飛行時間型質量分析計(TOFMS)の原理と特徴を紹介するとともに、これまでに取り組んできた測定技術に関する検討と当グループでの精密化学品への応用事例の一部を紹介する。
( page 68~78 by 浅野哲、山本潔、広明修、加藤三典 )

最近の農薬製剤の開発動向

農薬の最終使用形態である農薬製剤について、その目的および剤型について説明し、最近15年間の生産量の推移を紹介した。最近は省力化、安全性の向上、効力の向上などが要望され、いくつかの新しい製剤が開発されている。最近開発された新しい製剤の主なものとして水性製剤(フロアブル、濃厚エマルション、サスポエマルション、マイクロエマルション)、顆粒水和剤(ドライフロアブル)、ジャンボ剤、1キロ粒剤、水面展開剤、マイクロカプセル、農薬入り肥料、物理的防除用製剤などを取り上げ、それらの製剤について概説しその特徴を説明した。
( page 79~90 by 辻孝三 )

NMR法によるアロイ化反応機構の解明

非相溶ポリマーアロイの界面に微量に存在すると考えられる、相容化剤を介した異種ポリマーの反応物の化学構造を解析する方法として、溶媒分別やポリマーの選択的分解などの化学的な手法と高磁場による二次元核磁気共鳴(2D-NMR)法とを組み合わせた新しい構造解析法を開発し、ポリフェニレンエーテル-ポリアミドアロイの構造解析に適用した。
( page 91~98 by 岡田明彦、横田絵美子、大橋一俊、佐々木俊夫 )

プロピレンの二量化反応に有効な新規均一系ニッケル錯体触媒

ニッケル-ホスフィン錯体触媒を用いるプロピレンの二量化反応において、強スルフォン酸やジアルキル硫酸の存在下で調製した触媒は、活性および選択性が顕著に増大することを見出した。ホスフィンの立体効果は二量体の分布に、電子効果は触媒活性に重要な役割を演ずる。この触媒系を用いると効率よく2、3 -ジメチルブテンを合成できる。触媒調製の各段階で1 H-、31 P-、27 Al-NMRを測定し、触媒活性種の構造についても新知見が得られた。
( page 99~111 by 野村琴広、鈴鴨剛夫、山本三千男、板垣誠 )

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