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研究報告

住友化学 技術誌  2003 - I (2003年5月30日発行)

化学品のリスクアセスメント

化学品のリスクアセスメントは、当社において1982年に設立された化学品安全性評価システム (TASCS) の中で、レスポンシブルケアの精神に則り、当社製品の安全性の評価を通じて実施してきている。爾来、約820化合物について、科学的評価を行い、延べ 4400件の報告書を作成してきた。特に本稿では、作業者の環境中濃度と感作性の関係について、モルモットを用いた感作性試験での用量相関性を利用してシミュレーションモデルを組み、実測値との関係から安全な環境中濃度を推計し、実作業との兼ね合いで、より安全な作業形態を策出し、作業環境のリスクを軽減した例や、毒性の初期評価に重要な役割を果たす毒性予測手法も簡単に紹介する。
( page 4 - 12 by 中山由美子、山本圭介、中村洋介、岸田文雄 )

顕在化する土壌汚染問題とその対応

土壌・地下水汚染による健康影響の懸念や、健康被害の防止対策の確立を求める社会的要請が強まってきた。それらの状況を踏まえて、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等を定めた「土壌汚染対策法」が施行された。「土壌汚染対策法」の制定・施行は土壌汚染の実態調査や対策実施などについて、関連ビジネスや企業に与える影響をさらに加速すると思われる。本稿では土壌汚染の現状、土壌汚染の調査技術とその対策方法などについて述べ、併せてこれらに関する「当社の取り組み」について紹介する。
( page 13 - 23 by 大悟法弘充、西川浩一、三原一優、井上芳夫、藤本英治 )

機能性包装材料の開発 -イージーピールフィルム-

バリアフリーの社会のニーズは包装材料の分野においても、誰にも簡単に開封できる「イージーピールフィルム」の高度成長市場をもたらした。これに対し、当社は高度な材料設計技術と押出加工技術を応用して、機能性フィルム「アシスト」を開発し、住化プラスチック(株)で製造・販売を行っている。イージーピール性の発現機構は「材料の破壊制御技術」であるが、本稿では顧客ニーズに迅速に対応できる材料設計法や、製品性能などについて紹介する。
( page 24 - 30 by 黒田竜磨、高畑弘明、高木康行、三井慎一、古田明寛 )

天敵昆虫製剤「オリスター®A(タイリクヒメハナカメムシ製剤)」の開発

オリスター®A は住友化学が開発した、ピーマン、なす等の野菜類に寄生するアザミウマ類防除用の天敵昆虫製剤であり、有効成分として日本国内に分布する捕食性カメムシのタイリクヒメハナカメムシ (Oriusstrigicollis) を含有する。オリスター®A に使用されているタイリクヒメハナカメムシは短日条件下でも非休眠であるように選抜された系統である。その結果本天敵製剤の最大の使用場面である、日本西南暖地の冬春作の施設園芸でも十分な防除効力を発揮することができる。本稿では、オリスター®A の大量飼育、実用効果の詳細、さらには本剤を軸としたピーマンの施設園芸の総合防除モデルについても述べる。
( page 31 - 36 by 浮城昇、庄野美徳 )

LCP フィルムの開発

レオロジーやリアクティブプロセッシングの技術をベースとして、フィルム成形、ブロー成形が容易で、かつ、液晶ポリマーの機能は保持した、新しい液晶ポリマー材料の開発を行っている。該新規LCP 材料から得られたフィルムは、高弾性率、高いガスバリア性、低吸水率、耐溶剤性などを有し、耐熱フィルム、ガスバリア包材としての用途が期待できる。
( page 37 - 42 by 山口登造、熊田浩明、山下恭弘、松見志乃 )

メトキシアミンを用いる新規アミノ化反応の開発

メトキシアミンがニトロベンゼン類を直接的にアミノ化し、ニトロアニリン類を与えることを見出した。銅触媒の添加により収率が大幅に向上する。メトキシアミンはニトロベンゼン類だけでなく、ニトロピリジン類、ニトロオレフィン、α,β―不飽和カルボニル化合物およびナフトキノン類も効率よくアミノ化し、それぞれアミノニトロピリジン類、β―ニトロエナミン、β―アシルエナミンおよびアミノナフトキノン類を与える。本稿ではこのメトキシアミンを用いた新しいアミノ化反応について紹介する。
( page 43 - 53 by 世古信三、三宅邦仁 )

化学プロセス工業化におけるコンカレントエンジニアリング手法の開発 -プロジェクトの源流化度がわかれば結果が見える-

製品の開発期間短縮の為の実践的なCE 手法の開発を行った。1)源流化、2)並流化、3)技術力をキーワードとし、源流化即ち開発初期段階での課題の形成、並流的な業務遂行が可能となる仕組み作り、基盤となる技術力、特にIT 技術を融合させる事に力点を置いた。各種の標準化シートを開発・活用して工業化プロジェクトの課題を体系的に形成する事により、源流化とともに機能的に課題が管理できる仕組みを構築した。また、課題の摘出や解決分布及び完成度から成るOZ チャートを開発して、プロジェクト運営を見える化することにより、仕事の進め方や技術力の定量的評価が可能となった。プロジェクトを成功させるための源流化度、完成度の目安が明らかとなり、源流化度からプロジェクトの成否を予測する事が可能になった。
( page 54 - 60 by 尾崎達也、伊藤孝徳 )

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