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研究報告

住友化学 技術誌  2004 - I (2004年5月31日発行)

塩酸酸化プロセスの開発と工業化

当社は低温で高活性を有する熱伝導性に優れたRuO2/TiO2触媒を開発し、これを充填した固定床反応器による塩酸酸化プロセス技術を確立した。住友化学技術の特長は、転化率が高く、食塩電解塩素よりも高純度な塩素が得られ、副生塩酸水も食添グレードの高品質なことである。反応器はコンパクトで40万 t/y規模でも一基で対応でき、しかも反応熱はスチームとして回収するなど低コストに仕上げている。更に排水量は少なく環境にも優しい技術である。
( page 4~12 by 岩永清司、関航平、日比卓男、磯尾公太郎、鈴田哲也、中田幹俊、森康彦、阿部忠 )

高性能タイヤ用溶液重合SBRの開発

この10年、自動車タイヤ用の合成ゴム、フィラーは大きな変貌を遂げている。省燃費性能(燃料コスト低減)は年々より重視される傾向にあり、この要求に応える為に、タイヤトレッドにおいて、従来のカーボンブラック(CB)配合の代わりに、新規なシリカ配合系が開発されるに到っている。このシリカ配合の性能を向上させる為には、ポリマーの官能基化等の分子構造設計をより厳密に行う必要があり、リビングアニオン重合プロセスは、この意味において非常に有用な方法である。例えば、ポリマーの末端変性や、多官能変性を厳密に行う事が可能である。本稿では、シリカ配合系の最近の動向と、それを見据えた溶液重合SBR の設計について概観し、合わせて筆者等の開発したポリマーの新規な多官能基化処方に関して概説する。
( page 13~23 by 稲垣勝成、林真弓、今井昭夫 )

高分子用添加剤「スミライザーGシリーズ」の展開

Sumilizer G シリーズは、高分子材料の機能維持のための優れた添加剤である。Sumilizer G シリーズは、Sumilizer GM、Sumilizer GS、Sumilizer GA-80 とSumilizer GPから構成されている。Sumilizer G シリーズは、住友化学の評価・合成技術の結晶として開発された。Sumilizer G シリーズの開発においては、性能評価に留まらず、作用機構の推定や検証を行い、新たな用途を創造してきた。本稿では、Sumilizer G シリーズの特異な機能の概要とそれらに基ずく新たな用途展開について、紹介する。
( page 24~30 by 児島史利 )

いもち病防除剤「デラウス®」の応用開発-デラウス®プリンス®粒剤の水稲育苗箱播種時処理への展開-

デラウス®(ジクロシメット)は住友化学が開発し2000年4月に農薬登録を取得した稲いもち病防除剤である。農薬に対する安全性の向上や病害虫防除の省力化が要望される中、より安全、且つ省力施用技術を提供するために鋭意検討を加え、いもち病と水稲諸害虫の長期間防除を可能にしたデラウス®プリンス®粒剤の播種時処理技術を実用化した。ここでは、本剤の播種時処理における実用効果と、国内の大手機械メーカーと共同開発を行った水稲の播種作業と同時に薬剤防除ができる施薬機を紹介する。
( page 31~38 by 小川正臣、浦川素良 )

白紙光沢に関する考察

塗工紙は紙(原紙)表面に白色顔料とバインダーを主成分とした塗料を塗布した、白さ、平滑性、インキ受理性等の印刷適性に優れる紙である。近年、塗工紙の高品質化に伴い白紙光沢に対する要求は益々高くなってきた。本稿では、塗工~乾燥工程間での塗料の体積変化や原紙の膨潤収縮に着目した白紙光沢に関する解析結果と、それに基づく白紙光沢を向上させる塗料設計の考え方を紹介する。
( page 39~44 by 北村典子 )

トキシコゲノミクス研究の現状と展望

近年のゲノム研究の進展により、化学物質の毒性や副作用を遺伝子のレベルで解析するトキシコゲノミクス研究が盛んとなってきた。我々は、公的プロジェクトに参画する一方、効率的な新規毒性スクリーニング系の構築や毒性発現機構解明を目指し、トキシコゲノミクス研究を推進している。本稿では、トキシコゲノミクス研究の世界的な情勢と展望について概説するとともに、本分野における当社の取り組みの一例について紹介する。
( page 45~52 by 山田徹、住田佳代、斎藤幸一 )

カラーフィルタの中の光学

光学的な検討によりLCD用カラーフィルタの特性向上の限界を調べる。三原色の色度、明るさ、顔料の粒径、透明導電膜による光損失、LEDバックライト用カラーフィルタ、顕微分光測光についての検討結果を紹介する。
( page 53~62 by 中塚木代春 )

ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる気液平衡の測定

簡便でかつ不明成分の相対揮発度も得ることができる気液平衡関係の新たな測定方法を開発したのでその詳細内容を報告する。現在までに多くの研究者によって使用されているヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HSGC)による相対揮発度の測定法ならびに測定結果についても記す。さらに、HSGCによる2成分系気液平衡関係および無限希釈活量係数の測定法ならびに測定結果も示す。最後に、従来より当社で使用しているRogalski-Malanowski型気液平衡測定装置による測定法ならびに測定結果を紹介し、HSGCとの比較を行う。
( page 63~70 by 山本盛夫、楢原英夫 )

製法研究支援のためのWeb統合システム(Web-CC)の開発

コンピュータケミストリーの役割は益々大きくなっているが、未だ、一部の専門家のツールと言わざるを得ない。一方で、インターネットの普及により、近年化学分野でも様々なシステムが普及し始めた。そこで、研究者の社内システムの利用促進と社内情報の公開を目的として、Webを利用したシステムを構築した。 Web上で、自社開発してきた合成反応設計システムと社内反応データベース、そして物性推算システムを統合化し、統一の入力エディターから複数のシステムを利用できる環境を構築した。
( page 71~78 by 田中章夫、嘉藤田渉 )

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