スミカスーパー LCPの2次加工

接着

スミカスーパー LCPは市販されている接着剤(表1)を用いることにより、特に表面を処理することなく接着することができます。また、その接着面は250℃での熱エージングを行った後も実用的な接着強度が保持されます。又、PPSのような結晶性の樹脂は硬化温度を高くすると“反り”を発生することがありますが、スミカスーパー LCPは120~150℃という高温で硬化してもほとんど“反り”を発生しませんので、短時間で処理できます。

表1 市販接着剤によるスミカスーパーの接着強度(単位:MPa)

  接着剤
TB2234D
(スリーボンド)
スミマックECR-9173K
(住友ベークライト)
アミコン A164-1
(グレースジャパン)
アミコン A316BP
(グレースジャパン)
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
230℃,1min
IR リフロー
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
E5008 9.2 3.0 9.2 9.1 3.8 8.6 4.5 9.1 4.2
E6008 7.7 2.8 7.8 8.8 3.5 10.7 3.8 8.5 3.9
  接着剤
テクノダインAH 7052T
(田岡化学)
テクノダインAH 6072K
(田岡化学)
テクノダインAH 062K
(田岡化学)
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
硬化後 250℃,1hr
熱エージング
E5008 6.2 4.6 6.7 4.3 6.6 3.8
E6008 7.0 4.4 6.1 4.2 5.6 5.0

接着強度の測定方法

  • 試験片
    ASTM 1号試験片(厚み3.2mm)
  • 試験法
    試験片に接着剤を塗布した後、10mm重ね合わせ、熱風循環オーブンの中で硬化させる。
  • 強度の測定
    引張速度1.67×10-4m/sでせん断強度を測定する。
接着強度の測定方法の説明図

超音波による溶着

スミカスーパー LCPの各グレードは、超音波加振による溶着が可能です(表2)。接着面の強度は250℃での熱エージングを行なった後もほとんど変化ありません。

表2 超音波ウエルダーによる溶着性(単位:N)

  溶着強度(N)
溶着後 250℃,1hr
熱エージング
E5008L 650 570
E5008 510 400
E4008 460 460
E6008 740 740
E6006L 710 650

溶着強度の測定方法

  • 試験片
    12.7×78×1.6mmt 試験片2枚
    (一方の試験片は、右図に示す突起を有する)
  • 溶着方法
    右図のように試験片をセットした後、周波数19.5kHz、振幅34μm、荷重176.4Nの条件下で0.6~0.8秒加振
  • 溶着強度の測定方法
    引張速度1.67×10-4m/sでせん断強度を測定する。
接着強度の測定方法の説明図
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