生物多様性保全

住友化学は、生物多様性保全への対応を、サステナブルな社会の構築のために取り組むべき重要な柱の一つと考えています。「住友化学生物多様性行動指針」を策定し、各事業所においても指針に即した生物多様性保全をISO14001の活動目標に掲げるなど取り組みを強化しています。また、「生物多様性民間参画パートナーシップ」に参加するなど、化学会社として特に配慮すべきことは何かを念頭に置きつつ、事業を通じた取り組みを推進しています。

住友化学生物多様性行動指針

  1. 生物多様性保全を経営の最重要課題のひとつと位置づけ、一層の地球環境の保全に取り組みます。
  2. 生産活動および製品・サービスの開発・提供を通じて、またサプライチェーンとも連携して、環境負荷の継続的な削減を実現し、生物多様性の保全に取り組みます。
  3. 社員に計画的に教育を実施し、生物多様性保全の重要性について、正しく認識・理解させることで、活動の充実を目指します。
  4. 社会の皆様から高い評価と信頼が得られるような環境保全に資する社会貢献活動を継続的に行います。
  5. 取り組みの結果について公表し、社会の皆様とのコミュニケーションを促進します。

生物多様性保全の取り組み

〈桜ヶ池の生態保全(三沢工場)〉

三沢工場では大雨による災害を防止するため、5万トンもの水を貯蔵することができる調整池を備えています。調整池の周囲は桜の木が植樹されていることから「桜ヶ池」と名付けられ、池の土手上にはプラタナス、トド松、八重桜、オオヤマザクラなども植えられています。池の周りには、鴨や鵜をはじめ多様な水鳥や、キツネ、たぬき、カモシカなどの野生動物も生息しています。
桜ヶ池の保全のため、薬剤による防虫、殺菌は行わず、樹木の枯枝や病変枝除去のための剪定などを定期的(3年ごと)に行っています。

  • 桜ヶ池

  • 八重桜

  • 左:アオサギ 右:カワウ

  • 左:ウサギ 右:コウモリ

〈工場周辺の水域環境調査(三沢工場)〉

事業活動による水域への影響を確認するため、工場の処理水を放流している淋代川の水域生物調査をしています。淋代川では、底生生物のうち絶滅危惧II類(VU)に指定されているミズゴマツボや絶滅危惧 IB類に指定されているウツセミカジカなどの貴重な水生底生生物10種が確認され、非常によい水質環境が維持されていることが判明しました。

  • ミズゴマツボ

  • ウツセミカジカ

  • ナミウズムシ

  • イトミミズ亜科

〈国内事業所での取り組み(大分工場、岐阜プラント)〉

岐阜プラントでは、周辺地域の景観を損なうことのないよう、敷地周辺や構内の美化・緑化を進めています。また、大分工場でも緑化活動の一環として正門北側の塀に「テイカカズラ」を約250メートルにわたって植えています。

  • 岐阜プラント放魚池周辺

  • 大分工場緑化帯

〈タイ緑化保全(住友化学の森)〉

2008年から、公益財団法人オイスカと協働で、タイ南部のラノーン県におけるマングローブ植林活動に取り組みました。本取り組みは2019年3月に終了していますが、現在でもこの活動による支援区域は「住友化学の森」として地域住民の方々が日々管理しています。
「住友化学の森」は、地域の雇用創出や地域住民の方々の生計向上にも貢献しています。

  • 「住友化学の森」