ポリオレフィンエマルション

SUMIFITT®

Ⅰ. SUMIFITT®とは

接着困難な基材であるポリプロピレン(PP)に対して強力に接着するポリオレフィンの水性エマルションです。
一般的なPP用接着剤に比べて低温の熱処理で接着するため、接着工程におけるエネルギー消費を低減できます。

Ⅱ. 特長

1. PPへ強く接着

PPへの親和性の高いポリマー構造を有しているので、接着困難なPPに対して強力に接着します。
結晶性が高く接着しにくいホモPPに適用することも可能です。

図:PP基材/プライマー/塗料のクロスカットサンプル

構成:PP複合材/サンプル塗膜(固形分膜厚10μm)/コート剤(膜厚100μm)
塗布条件:脱脂 →SUMIFITT®or 市販PP用接着剤塗布→ 乾燥(50℃, 5min)→ コート剤塗布→ 熱処理(80℃, 30min)
剥離条件:セロハンテープを圧着後、45°の角度で剥離

2. 低温の熱処理でも高い接着力を発現

結晶性・柔軟性を最適化したポリマーを使用しているため、低温の熱処理による接着が可能です。そのため、接着時の消費エネルギー・CO2排出量の低減に貢献します。

図:接着温度と剥離強度の関係

構成:PP複合材/サンプル塗膜(固形分膜厚10μm)/コート剤(膜厚100μm)
塗布条件:脱脂 →SUMIFITT®or 市販PP用接着剤塗布→ 乾燥(50℃, 5min)→ コート剤塗布→ 熱処理(所定温度, 30min)
剥離条件:180°剥離試験(50mm/min)

3. 異種材料接着が可能

ポリオレフィンだけでなく、極性樹脂や金属にも接着するため、異種材料の接着が可能です。

図:各基材への密着性

構成:被着体/SUMIFITT®(固形分10μm)/PPシート
接着条件:脱脂 →被着体へのSUMIFITT®塗布→ 乾燥(60℃, 5min)→ PPシート貼合→ 熱プレス(樹脂:0.1MPa, 150℃, 1min; 金属:0.1MPa, 150℃, 2min)
剥離条件:180°剥離試験(100mm/min)

4. 異種エマルションへのPP接着性の付与

ポリウレタンエマルションやアクリルエマルション等の異種エマルションの改質が可能です。異種エマルションへのSUMIFITT®の添加により、PPへの接着性が向上します。

図:SUMIFITT®/異種エマルションブレンド時の接着性

構成:PP複合材/サンプル塗膜(固形分膜厚10μm)/コート剤(膜厚100μm)
塗布条件:脱脂 →SUMIFITT® or 市販PP用接着剤塗布→ 乾燥(50℃, 5min)→ コート剤塗布→ 熱処理(80℃, 30min)
剥離条件:180°剥離試験(50mm/min)

Ⅲ. 基本物性

項目 単位 SUMIFITT® WR101
外観 - 乳白色エマルション
固形分濃度 wt% 約31
pH - 7-9
粘度 mPa・s <100
溶剤含有量
(アルコール)
wt% <1

*上記数値は保証値ではありません。

Ⅳ. 用途例

ポリオレフィンと異種材料を接着させる用途で好適に用いることができます。

分野 用途
自動車 バンパー塗装プライマー、内装用接着剤プライマー、内装用接着剤、車載電池用接着剤、加飾フィルム接着層
家電 筐体塗装プライマー、接着剤プライマー
電子材料 基板接着剤プライマー
インキ インキバインダー、印刷プライマー
包装 ラミネート接着剤
建材 シーリング材プライマー
繊維 繊維バインダー、強化繊維サイジング剤

Ⅴ. 動画

SUMIFITT®の特徴や使用例を示した動画です。

Ⅵ. お問い合わせ

お問い合わせ、サンプルのご要望はこちらまで。

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ご注意

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