資源循環への貢献

省資源・廃棄物削減

基本的な考え方

私たちの生活は限りある資源のもとに成り立っています。資源の持続可能な利用のために、天然資源の消費を抑制しつつ、今ある資源を循環させることが求められています。住友化学は、事業所や工場での廃棄物管理や資源の有効活用に取り組んでいます。

マネジメント体制

社長を最高責任者、レスポンシブルケア部担当役員を責任者とし、レスポンシブルケア部環境・気候変動対応グループが当社全般の環境保全に関する事項を掌理するとともに、グループ会社の環境保全活動の支援を行っています。
事業所(本社、工場、研究所など)はそれぞれ環境保全業務を所轄する部署を設け、責任者や担当者を選任し、具体的な業務遂行にあたっています。業務の遂行に際して、本社部門(レスポンシブルケア部)は、「全社年度方針」および「全社中期方針(3カ年単位)」を策定します。そして、各事業所は、これらの方針を踏まえ、事業所の特性や地域事情にも配慮し、事業所ごとの活動方針を策定し、新年度からの具体的な活動に取り組んでいます。
法規制などの改正については、レスポンシブルケア部が環境関係法律の制定や改定の動向を絶えず注視するとともに、適宜、国の専門委員会などを通じて、意見具申などをして、問題に携わる関係者全員が目標(改正内容の詳細、影響の有無、対応策の見える化など)を定め、自社の活動として取り組んでいます。
さらに、事業に大きな影響がある改正事項については、事前に必要な情報を入手の上、事業所へ周知することで、コンプライアンス対応に万全を期しています。

取り組み事例

枯渇性原材料の使用量削減や早期のPCB廃棄物の適正処分、産業廃棄物の埋立量削減に計画的に取り組んでいます。さらに、廃棄物および廃プラスチックのリサイクルに関する目標を設定し、資源循環の取り組みも推進しています。

  • 省資源の推進
  • 廃棄物の適正管理と内部・外部リサイクル量増加の推進
  • PCB特措法による処分期限を前倒しした微量PCB廃棄物の処理の推進
  • 正極材のダイレクトリサイクルの取り組み

プラスチック資源循環

基本的な考え方

住友化学は、経営として取り組む重要課題の一つに「資源循環への貢献」を掲げており、そのKPIとして「製造プロセスに使用したプラスチック再生資源の量」を設定しています。

2030年までに、当社の製造プロセスに使用するプラスチックのうち20万トン/年を再生資源に置き換えることを目指して取り組んでいます。

住友化学グループ プラスチック資源循環に関する基本方針

住友化学グループは、プラスチックは持続可能な社会を支える有用な素材であるとの認識のもと、「サステナビリティ推進基本原則」に則り、プラスチック資源循環の実現とプラスチック廃棄物問題の解決に向け、以下の方針に沿って取り組みます。

  1. 当社グループは、化学の強みを発揮できる技術や製品、サービスの提供など、事業を通じて課題解決に貢献します。
  2. 当社グループは、気候変動問題への対応にも配慮しつつリデュース・リユース・リサイクル(3R)に関するイノベーションを中心に注力し、新しいソリューションの早期社会実装を目指します。
  3. 当社グループは、海洋プラスチック問題のように個社では解決が難しい課題に対しても、アライアンスへの参加や、オープンイノベーションによる他者との連携等を通じて、様々なステークホルダーと協力し、取り組みます。
  4. 当社グループは、社員の一人一人が関連する課題を自分事として捉え、自らの行動変革に繋げることができるように、健全な科学に基づいて教育啓発を実施するとともに、分別収集の促進、河川や海岸の清掃などの社会貢献活動にも積極的に取り組みます。
  5. 当社グループは、関連の活動についてレビューを行い、PDCAサイクルを回して内容の充実と質の向上を図りながら取り組みます。

マネジメント体制

2020年に、当時の石油化学品研究所(現在のエッセンシャルケミカルズ研究所)に設立した環境負荷低減技術を扱う研究グループにおいて、ケミカルリサイクル技術に関する研究開発を推進しています。
これらの取り組みを広く社会実装していくために、2021年に設立したプラスチック資源循環事業化推進室を中心に、廃プラスチックの確保やリサイクルによって得られたプラスチック製品の市場開拓などに取り組んでいます。

取り組み事例

プラスチック資源循環を実現するためには、プラスチックバリューチェーンの各段階において、リデュース、リユース、リサイクル(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル)に取り組むことが重要です。

  • マテリアルリサイクル
  • ケミカルリサイクル
  • 製品パッケージに使われるプラスチック使用量の削減やリサイクル素材の利用

今後に向けて

住友化学は、経営として取り組む重要課題の一つに、資源循環への貢献を掲げています。今後は、これまでの歩みをさらに進めるべく、総合化学企業として培ってきた技術力と知見を活かし、資源循環技術の開発や社会実装に向けた取り組みを一層推進していきます。