スミカスーパー LCPの化学的安定性

スミカスーパーLCPの耐薬品性

スミカスーパーLCPの耐薬品性のデータを表に示します。スミカスーパーLCPは高温下でも油類によって膨潤、劣化することなく、優れた耐薬品性を有しています。しかしながら、実用にあたっては実成形品での評価が必要です。

表3-5-1 スミカスーパーLCPの耐薬品性

薬品名 条件 スミカスーパー LCP
評価
温度（℃） 時間
20%塩酸 50 30日 〇
20%硫酸 50 30日 〇
40%硝酸 50 30日 〇
氷酢酸 50 30日 〇
10%水酸化ナトリウム 50 30日 ×
10%アンモニア水 50 30日 ×
アセトン 還流 100hr 〇
メチルエチルケトン 還流 100hr 〇
トリクロロエタン 還流 100hr 〇
塩化メチレン 還流 100hr 〇
トルエン 還流 100hr 〇
メタノール 還流 100hr 〇
エタノール 還流 100hr 〇
酢酸エチル 還流 100hr 〇
ジメチルホルムアミド 還流 100hr ×
ガソリン 室温 30日 〇
エンジンオイル 120 2000hr 〇
ギアオイル 120 2000hr 〇
評価 ○ ： 引張強度の低下率 5%以下、重量の変化率 2%以下
× ： 上記以上の変化があるもの

成形品からの発生ガス

スミカスーパーLCPの成形品を加熱した時に発生するガス量は極めて低い値を示します。

図3-5-1 成形品から発生するガス成分の分析方法

図3-5-1 成形品から発生するガス成分の分析方法

図3-5-2 スミカスーパーLCPの発生ガス量

図3-5-2 スミカスーパーLCPの発生ガス量
分析装置 ：ヘッドスペースガスクロマトグラフ
試料前処理条件 ：120℃、20hr加熱