スミカエクセル PESの耐熱性

スミカエクセル PESについて設計に必要な熱的性質を表1に示しました。

表1 スミカエクセル PESの熱的性質

テスト項目 テスト方法
(ASTM)
単位 非強化 GF強化
3600G
4100G
4800G
3601GL20
4101GL20
3601GL30
4101GL30
熱的性質 荷重たわみ温度(0.45Ma) D648 210 - -
荷重たわみ温度(1.82Ma) D648 203 210 216
ヴィカット軟化点(1kg) D1525 226 - -
ヴィカット軟化点(5kg) D1525 222 - -
線膨脹係数MD D696 10-5/K 5.5 2.6 2.3
線膨脹係数TD D696 10-5/K 5.7 4.8 4.3
熱伝導度 C177 W/(m・K) 0.18 0.22 0.24
比熱 - J/(kg・K) 1,121 - -
温度インデックス UL746 180 180 190

連続使用温度

スミカエクセル PESは長期連続使用の指標となるUL温度インデックスが180~190℃であり、非晶性樹脂の中で最高レベルの連続使用温度を有します。
図1にスミカエクセル PESの引張強度の半減時間を示します、スミカエクセル PESの引張強度を半減させるために要する時間は180℃で20年間、200℃では5年間と推定されます。

図1 引張強度半減時間の温度依存性

図1 引張強度半減時間の温度依存性

弾性率の温度依存性

図2に曲げ弾性率の温度依存性を示します。弾性率は?100℃~200℃までほとんど変化しません。特に、100℃以上では結晶性樹脂のPBT、PPS等のGF強化グレードよりもはるかに優れており、あらゆる熱可塑性樹脂の中で最高レベルを有します。

図2 曲げ弾性率の温度依存性

図2 曲げ弾性率の温度依存性

エージング特性(空気中および熱水中)

熱エージング性

スミカエクセル PESを150℃空気中にエージングした場合でも強度低下はなく、耐熱性に優れています。

図3 引張強度の150℃空気中エージング特性

図3 引張強度の150℃空気中エージング特性

熱水性

スミカエクセル PESを水中(23℃)または熱水中(100℃)で無負荷でエージングした場合、引張強度はほとんど変化しません(図4)。
衝撃強度は熱水中(100℃)では初期に低下を起こしますが、その後は十分に高い耐衝撃性を維持して安定しています(図5)。

図4 引張強度の水中におけるエージング時間依存性

図4 引張強度の水中におけるエージング時間依存性

図5 衝撃強度の水中におけるエージング時間依存性

図5 衝撃強度の水中におけるエージング時間依存性

耐スチーム性(スチーム殺菌サイクルの影響)

3.2気圧スチーム圧(143℃)⇔真空乾燥(室温)サイクル試験の結果、衝撃強度に変化は見られませんでした。
しかし、スミカエクセル PESを高温あるいは熱水中で使用する場合は、それぞれの用途に応じて実使用雰囲気下でテストを行うことが必要です。

線膨脹係数

スミカエクセル PESは線膨脹係数が小さく、その温度依存性が小さいことが特徴です。図1に線膨脹係数の温度依存性を示します。結晶性のPPS(GF40%)は温度上昇と共に線膨脹係数が大きくなりますが、非結晶性のスミカエクセル PESは、温度に依存せず200℃まで一定の値を示します。さらにGF強化の4101GL30は2.3×10-5(/K)とアルミニウム並の低い線膨脹係数を有することから、精密成形に適した材料といえます。

図6 線膨脹係数の温度依存性

図6 線膨脹係数の温度依存性
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