企業価値向上に向けた取り組み

企業価値向上に向けた基本的な考え方

住友の事業精神である「自利利他 公私一如」の考えに基づき、経済価値と社会価値を一体的に創出することで、企業価値の向上を目指します。

住友の事業精神を表す「自利利他 公私一如」は、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない」という意味で、当社グループが創業から大切にしてきた考え方です。
当社は、ここにグリーントランスフォーメーション(GX)の視点を加え、事業ポートフォリオを長期的に変革することで、事業を通じて社会課題の解決に貢献することを目指します。これにより、経済価値(自利)と、社会価値(利他)の一体的な創出(公私一如)を実現し、企業価値を向上させてまいります。

経済価値の創出:ROI志向経営の徹底

ROI志向経営の徹底によって、ポートフォリオの高度化を図り、資本効率を向上させるとともに安定した収益構造を構築することで、経済価値を創出していきます。

(1)ROI志向経営

当社では、管理会計制度において1999年から各事業部門の業績に資本コストを考慮するなど、ROI、ROEなどの資本効率向上に早くから取り組んできました。ROIについては、WACC(加重平均資本コスト)を上回るレベルを求め、7%以上を目標としています。

ROI志向経営の徹底

・CF創出力/収益安定性の向上

・メリハリのある資源投入

・投資成果の確実な獲得

・CCC改善に向けた取り組み

(2)現状と今後の取り組み

2023年度は、医薬品におけるラツーダの独占販売期間の終了に伴う販売減少、石化製品の交易条件悪化・出荷の減少等により収益性が低下したことに加え、持分法適用会社であるペトロ・ラービグの業績が悪化したことにより、コア営業損益は大きく悪化しました。また、医薬品およびエッセンシャルケミカルズでの多額の減損損失等を非経常項目として計上したことにより、ROIは前年比14.8ポイント低下し、△16.1%となりました。

今後は、現在取り組んでいる短期集中業績改善策等を通じて2024年度でのV字回復を達成するとともに、住友ファーマとペトロ・ラービグの立て直しを中心とした「再興戦略」と、10年後・20年後もグローバルに存在感のある企業であり続けるための「成長戦略」からなる抜本的構造改革を推進していきます。当面は、設備投資・投融資を減価償却費の範囲内に抑制し財務体質の改善を図る一方で、成長ドライバーと位置づける農業関連・ICT関連には経営資源を集中投入し、収益力の強化を図ります。また、目標ROIにつきましても、それぞれの事業部門ごとに設定・管理し、資本効率の向上に一層努めてまいります。

社会価値の創出:社会課題解決への貢献と成果の見える化

事業を通じて社会課題の解決に貢献するだけでなく、その成果を見える化することにより、創出する社会価値とそのインパクトを広く周知し、当社の社会的な評価を高めていきます。

(1)Sumika Sustainable Solutions(SSS)
~気候変動対応、環境負荷低減、資源有効利用の分野で貢献する当社グループの製品・技術~

製品のライフサイクル全体の視点で、温暖化対策や環境負荷低減などに貢献する当社グループの製品・技術を認定し、その開発や普及を促進しています。

(2)Science Based Contributions(SBC)
~製品・技術を通じたGHG削減貢献量~

SSSに認定した環境負荷低減製品・技術による社会でのGHG削減貢献量を定量化し、社会課題解決への貢献インパクトのひとつとして開示しています。

エンゲージメント

当社は、上記の基本的な考え方に基づいた、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた経営方針、事業戦略および業績動向等について、株主・投資家等のステークホルダーと積極的にコミュニケーションを行うことで説明責任を果たし、市場からの信頼の維持・向上を図るとともに、当社への正しい理解を通じた、適正な株価形成と企業価値向上に努めています。

(1)エンゲージメントの状況

2023年度においても、トップマネジメントによる定期的な説明会のほか、さらなる議論の深堀のためのスモールミーティングや投資家訪問の実施など、ステークホルダーとの建設的な対話を実施し、相互理解を進めました。

(2)エンゲージメントのツール

当社では、各種説明会等の資料に加え、住友化学レポート(統合報告書)、インベスターズハンドブック、サステナビリティデータブックを毎年発行し、株主・投資家等のステークホルダーの方々の当社への理解を深めるツールとして活用しています。