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住友化学、英国企業とバイオセンサー共同開発開始

2016年04月18日

住友化学は、このたび、英国のAbingdon Health社(以下、AH社)とポイントオブケア※1向け次世代マルチプルバイオセンサーデバイス※2を共同開発することに合意しました。

住友化学とAH社の子会社Molecular Vision社(以下、MV社)は、これまで2年にわたって、それぞれの強みであるプリンテッドエレクトロニクス技術※3とラテラルフローデバイス技術※4との融合による、多様な診断に適用可能な小型簡便デバイスの構築に向けた研究に共同で取り組んできました。このたび合意した共同開発契約は、その2年間の成果を引き継ぎ、両社がそのデバイスの実現可能性の実証を目指すものです。

住友化学は、医療診断の分野でビッグデータが活用され、情報連携型のポイントオブケア検査のニーズがますます高まる中、パートナーとともにマルチプルバイオセンサーデバイスの早期実用化に向けた開発を進めてまいります。

  1. 開業医の診察室やベッドサイド、救急車の中、家庭など、被検者のすぐ傍らで、医療従事者が、小型分析器や迅速診断キットを用いてリアルタイムに行う臨床現場即時検査や、そうした考え方を指す。被検者から取得した血液や唾液などの検体を、専門病院の検査室や外部試験施設に送ることなく被検者の近くで迅速に検査結果を出すため、医療の質の向上に役立つとされている。
  2. 一回の検査によって複数の検体や検体中の複数の特定物質を同時に検査することによって、検査の精度や信頼性を高めたり、あるいは、複数の疾病の存在や進行度を同時に診断できたりすることを想定したデバイスを指す。
  3. 従来の真空・高温プロセスによるシリコン系のエレクトロニクスとは異なり、有機半導体材料をプラスチック基板上に塗布・印刷方法を用いて製造する技術を指す。大面積、軽量、薄膜、機能の複合化、フレキシブルといった5つの特長により、従来にない製品の開発が可能になると考えられている。
  4. 被検者から取得した検体液が、一般的にはニトロセルロースなどからなる膜の中を毛細管現象によって単一横軸方向へ拡散していく際に、疾病の存在や進行度の指標となる検体液中の特定の物質が、膜上の特定位置に予め含浸もしくは固定化させておいた検出試薬と特異的に反応する原理を利用した検査デバイス技術を指す。洗練された技術に基づく簡便な検査手法として知られ、例えば妊娠検査やインフルエンザ検査などで実用化されている。

ご参考

AH社の概要

社名 Abingdon Health Ltd
所在地 英国・ヨーク
CEO Chris Yates
事業内容 血液腫瘍分野における迅速診断のための製品開発、製造、販売

MV社の概要

社名 Molecular Vision Limited
所在地 英国・ロンドン
CEO Chris Yates
事業内容 ポイントオブケア用ポータブルバイオセンサーの開発

以上

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