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住友化学によるボナックの第三者割当増資の引受(出資拡大)について

2017年09月25日

住友化学株式会社
株式会社ボナック

住友化学株式会社(以下、「住友化学」)と株式会社ボナック(以下、「ボナック」)は、ボナックが第三者割当増資により発行する株式を住友化学が引き受けることに合意し、このたび出資を完了いたしました。これにより、ボナックに対する住友化学の出資比率は19.55%に拡大します。

今回の資本提携の強化を契機に、ボナックが持つ核酸医薬のユニークなプラットフォームと、住友化学グループの医薬品開発、原薬製造、医療診断および安全性分析等の技術をより強固に融合させ、核酸医薬品の早期実用化に向けた開発を加速させます。

ボナックは、次世代医薬品として注目されている核酸医薬品を開発しているバイオベンチャーで、日本および欧米の主要国で特許を取得した独自構造のボナック核酸(※1)を用いて、原料開発から創薬探索まで一貫して手掛けています。住友化学は、2013年にボナックから核酸医薬原薬の製造・販売に関する知的財産権の独占的実施権の許諾を受けて受託製造事業に参入し、2016年には同社へ出資するなど、開発パートナーとして関係を強化してきました。

核酸医薬品は、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の働きを利用して、病気を引き起こす遺伝子やタンパク質に作用するタイプの医薬品です。副作用を低減した新たな治療薬となる可能性があることから、低分子医薬品(※2)、抗体医薬品(※3)に続く次世代の医薬品として注目を集め、開発が進められています。実用化に向けては、体内での安定性やDDS(※4)などの課題を解決する必要がありますが、ボナックは、これらの課題解決に有力な独自の核酸医薬のプラットフォームを確立しており、現在は核酸医薬品開発について国内外の製薬メーカーと共同開発やライセンス交渉を進めているところです。

住友化学とボナックは、今後も核酸医薬品の開発を着実に推し進め、アンメットメディカルニーズの解消をはじめとした医療が抱える課題の解決に取り組んでまいります。

  1. ボナックが開発した核酸で、従来の核酸が二本鎖構造であるのに対して、一本鎖構造であるのが大きな特徴。その構造により体内での高い安定性と安全性を有する
  2. 化学合成により作られる一般的な医薬品
  3. 生体がもつ免疫システムの主役である抗体を主成分とした医薬品。標的に対する特異性が高く副作用が少ない点が特徴。大量生産が困難で経口投与できないという課題がある
  4. Drug Delivery System(ドラッグデリバリーシステム)の略。必要な薬物を必要な時間、体内の適切な場所に届けることを可能にする技術

(ご参考)両社の概要

住友化学株式会社

設立 1925年6月
所在地 東京都中央区
資本金 89,699百万円(2017年3月31日現在)
従業員 32,536名(2017年3月31日現在連結ベース)
代表取締役社長 十倉 雅和
事業内容 石油化学、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品、その他

株式会社ボナック

設立 2010年2月
所在地 福岡県久留米市
資本金 1,477百万円(2016年12月31日現在)
従業員 26名(2016年12月31日現在)
代表取締役社長 林 宏剛
事業内容 核酸医薬プラットフォームライセンス、核酸合成等

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