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米国のスタートアップ企業へ出資 ~合成生物学を活用した革新的技術開発を目指して~

2019年10月15日

住友化学は、このたび、コナジェン社を中核とする米国のスタートアップ企業グループの一社で、機能性食品素材である次世代ステビア甘味料を事業化したスィージェン社に10百万USドルを出資いたしました。今回の出資により、両社をはじめとする企業グループとの戦略的協業関係を強化し、合成生物学と当社技術とを融合させた革新的技術を確立することで「環境負荷低減」や「ヘルスケア」といった重点分野における次世代事業の創出を加速させます。

住友化学は、気候変動や環境保全問題を社会が直面する重要課題と捉え、これらの課題を解決するため、化学合成だけではなく、化石資源への依存度が低いバイオ合成にも着目してきました。合成生物学に強みをもつスタートアップとの協業をグローバルに進めることにより、環境負荷低減に資するコスト競争力のある新プロセスの開発や、化学合成では困難とされた高機能素材の開発を目指しています。その一環として、数年前より、微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化までを一貫して行うことができるコナジェン社との間で、既存化学品のバイオ合成に関する共同研究を開始するとともに、新規な高機能素材の開発についても協議を重ねてきた経緯があり、今回の出資を決定しました。

スィージェン社は、機能性食品素材としての新たな甘味料市場の創出を目指し、コナジェン社からの技術ライセンスに基づき、次世代ステビア甘味料を事業化しました。この製品の特長は、自然物由来の原料を用いて生産され、Non-GMO、ノンカロリー、かつ従来型のステビア甘味料と比較して砂糖により近いおいしさであることで、飲料・食品業界からも注目されています。一方、人々の健康への関心の高まりに加え、生活習慣病や肥満の予防対策として2016年に世界保健機関(WHO)が砂糖を多く含む清涼飲料への課税を呼びかけたことから、欧州や東南アジア等の国々で砂糖税が導入されるなど、砂糖の代替として低カロリーな甘味料の使用を促す動きが世界的に広まっています。こうした背景から、次世代甘味料の急激な需要拡大が見込まれるため、スィージェン社は、新工場の建設および開発・販売体制の拡充を進めています。

住友化学は、事業の本格的な立ち上げ期を迎えたスィージェン社への出資を契機とし、これまで進めてきたコナジェン社およびスィージェン社との協業を深化、拡大させます。将来的には、スィージェン社の工場を実証実験の場として活用することにより、ダウンストリームプロセス(精製、廃液処理)に関する革新的技術開発や、それを適用して新設する自社プラントでの高機能素材などの生産を目指します。

住友化学は、現中期経営計画において「次世代事業の創出加速」を基本方針の一つに掲げ、「環境負荷低減」「ヘルスケア」「食糧」「ICT」の4つの重点分野で新規事業を実現するため、独自のイノベーションエコシステムの構築を進めています。引き続き、スタートアップ企業やアカデミア等とのオープンイノベーションを通じて、非保有技術を獲得し、自社技術と組み合わせることで、サステナブルな社会の実現に向けた技術開発と新たな事業領域の開拓に取り組んでまいります。

以上

コナジェン(Conagen)社について

2010年に設立されたコナジェン社は、バイオテクノロジー産業の中心地であるボストンを拠点とする、同分野で高い実績を持つバイオテクノロジー企業です。合成生物学を活用したソリューションを幅広い産業に提供しており、微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化まで一貫して行うことにより、食品、栄養剤、香料や医薬品など多岐にわたる製品の生産性向上や競争力強化に貢献しています。
詳細は、ウェブサイトをご覧ください。
www.conagen.com

スィージェン(SweeGen)社について

2013年にカリフォルニア州で設立されたスィージェン社は、合成生物学を活用した技術により、食品、香料、飲料業界向けの低カロリー、ノンカロリー、Non-GMOの次世代ステビア甘味料の開発、生産、販売を行っているスタートアップ企業であり、多くの製品群、知財ポートフォリオ、専用製造設備、研究開発力を有しています。
詳細は、ウェブサイトをご覧ください。
www.sweegen.com

お問い合わせ

住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部
〒104-8260
東京都中央区新川2-27-1 東京住友ツインビル(東館)
TEL:03-5543-5102
FAX:03-5543-5901