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米国のバイオベンチャー企業「コナジェン社」への出資

2020年04月02日

住友化学は、このたび、米国のバイオベンチャー企業であるコナジェン社に30百万USドルを出資いたしました。今回の出資により同社との戦略的業務提携を一層推進し、合成生物学を活用した画期的な高機能製品や革新的プロセスの開発を目指します。

コナジェン社は、合成生物学を活用して微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化までを一貫して行うことに強みを持つ研究開発型のバイオテクノロジー企業です。機能性食品素材、ヘルスケア、香料など幅広い分野を対象とした研究開発に加え、中国や欧州に量産拠点を確保しており、多くの企業との協業に基づき事業を展開しています。住友化学は、2018年からコナジェン社との間で既存化学品のバイオ合成に関する共同研究を実施し、その成果を踏まえて昨年にはコナジェン社が中核をなす企業グループの一社であるスィージェン社に出資するなど、協力関係を強化してきました。

近年、バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーの融合による技術の急速な進歩により、合成生物学の商業化が進んでいます。そうした中、住友化学は、合成生物学と化学技術を融合させることにより、化学合成だけでは製造が困難な高機能製品や、高効率かつクリーンで省エネルギーなプロセスを開発し、新事業の創出を加速させることが可能になると考えています。一方、コナジェン社も、機能性食品素材や香料などに続く新分野での事業化に向け、ダウンストリームプロセスや安全性評価などの共通的な基盤技術や、アプリケーションノウハウを有する化学企業との戦略的協業を望んでいることから、今回の出資に至りました。今後、共同でテーマ探索を行なうとともに技術者を相互に派遣して当社の技術基盤を強化し、革新的な技術やプロセス開発につなげていきます。

住友化学は、現中期経営計画において「次世代事業の創出加速」を基本方針の一つに掲げ、「環境負荷低減」「ヘルスケア」「食糧」「ICT」の4つの重点分野で新規事業を実現するため、独自のイノベーションエコシステムの構築を進めています。引き続き、スタートアップ企業やアカデミア等とのオープンイノベーションを通じて、非保有技術を獲得し、自社技術と組み合わせることで、サステナブルな社会の実現に向けた技術開発と新たな事業領域の開拓に取り組んでまいります。

以上

コナジェン(Conagen)社について

2010年に設立されたコナジェン社は、バイオテクノロジー産業の中心地であるボストンを拠点とする、同分野で高い実績を持つバイオテクノロジー企業です。合成生物学を活用したソリューションを幅広い産業に提供しており、微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化まで一貫して行うことにより、食品、栄養剤、香料や医薬品など多岐にわたる製品の生産性向上や競争力強化に貢献しています。

詳細は、ウェブサイトをご覧ください。
www.conagen.com

スィージェン(SweeGen)社について

2013年にカリフォルニア州で設立されたスィージェン社は、合成生物学を活用した技術により、食品、香料、飲料業界向けの低カロリー、ノンカロリー、Non-GMOの次世代ステビア甘味料の開発、生産、販売を行っているスタートアップ企業であり、多くの製品群、知財ポートフォリオ、専用製造設備、研究開発力を有しています。

詳細は、ウェブサイトをご覧ください。
www.sweegen.com

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コーポレートコミュニケーション部
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