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社長メッセージ 「住友化学グループ社員の皆さんへ」

2020年12月15日

住友化学株式会社
代表取締役社長
岩田 圭一

住友化学グループの社員の皆さん、こんにちは。

はじめに、新型コロナウイルスが、いまだに世界中で猛威を奮う中、罹患された社員やご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

化学産業には、エッセンシャル産業として、社会基盤を支える多くの製品を安定供給するという社会的な責任があります。その責任を果たすため、長期にわたりきめ細かな感染防止策を講じていることから、とりわけ製造現場を中心に職場では緊張感の高い状態が続いています。幸い当社グループでは、大きなトラブルもなく事業運営を継続できています。これはひとえに、ご家族のサポートを含めた皆さんの日々の努力の賜物であり、改めて感謝申しあげます。

今年も残すところあとわずかとなりました。2020年の世界経済を振り返りますと、新型コロナウイルスによって一時はリーマンショックを大幅に上回る経済危機が懸念されましたが、各国別に強弱はあるものの、夏以降は中国を中心に全体としては回復に向かっているとの見方が一般的です。当社グループの業績への影響についても当初想定よりも縮小し、本年度の純利益は昨年度並みの水準を確保できる見通しです。

また、中期経営計画の折り返しである本年は、私の中では、3つのGood Newsがあったと評価しています。一つ目は、ラービグ第2期計画の完工保証が解除され、財務体質悪化懸念の一部が払拭されたこと、二つ目は、コロナ感染拡大が進む中にも関わらず南米の農薬事業買収が完了し、その後のPMIも円滑に進行していること、三つ目は、新薬のレルゴリクス、ビベグロンなどポスト・ラツーダを担うブロックバスター候補剤の開発が順調に進捗していることです。いずれも当社グループの中長期的な成長に欠かせない重要なマイルストーンの達成であります。

一方、世界に目を向けると、コロナ禍を通じて湧き上がったトレンドは、サステナビリティに対する意識や関心の高まりであり、特に気候変動問題は「待ったなし」の状況です。中国に続き日本政府も、パリ協定の目標達成に向けた温暖化ガス排出削減目標を公表しました。米国も来年1月にバイデン氏が大統領に就任すればパリ協定に復帰する見通しです。温暖化ガス排出量の多い主要国の足並みが揃うことにより、排出量削減の取り組みが加速することが予想されますが、達成のハードルは極めて高いものです。課題解決にはイノベーション、技術革新が不可欠であり、その面でも化学産業の出番は一段と多くなると思います。住友化学グループとしては、まず、足元を固めることです。SBTに認定を得た温暖化ガス排出削減の取り組みを推進していくとともに、「Sumika Sustainable Solutions」を通じて温暖化ガス排出削減に貢献する製品や技術の普及に地道に取り組んでいきましょう。

今回のパンデミックで私達をとりまく環境は大きく変わりました。しかし、このような中でも一貫して変わらないのは、住友化学がこれまで大事にしてきた価値観である住友の事業精神、すなわち、社会が直面する課題の解決を通じて企業としても成長していく、ということだと実感しています。これこそが、当社グループの社会における確固たる存在意義、すなわち「パーパス」です。11月から当社グループ全員参加の下、企業理念を共有し、グループ一体となってサステナビリティ推進に取り組むためのグローバルプロジェクト「For a Sustainable Future JIRI RITA」も始まっています。住友化学グループがイノベーションを先導するという気概で、引き続き、変革の時代に果敢に挑戦していきましょう。

最後に、当社グループ社員の皆さんが、良い年末年始を過ごされ、新たな気持ちで新年を迎えられるよう祈念いたしまして、年末のあいさつといたします。

以上