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新しいポリエチレン製品「スミクル®」を開発
~プラスチック製品の水平リサイクル実現に向けて~

2022年03月31日

住友化学は、このたび、容器包装向けの高剛性ポリエチレン(PE)「スミクル®」を開発いたしました。プラスチック容器包装の基材層に適用することで、原料をPEに統一することが可能となり、使用済みのプラスチック製品を同様の用途へと再資源化する水平リサイクル※1の実現に貢献します。既にサンプル提供を開始しており、2022年度の早期に事業化を目指します。

食品や日用品向けのプラスチック容器包装は、用途に応じて、それぞれ特徴の異なる原料を重ね合わせて作られています。例えば、内側のシーラント層には、加熱圧着に適したPEなどのポリオレフィン系原料が使われ、外側の基材層には、自立性に優れる高剛性のナイロンやポリエチレンテレフタレート(PET)などが使われます。一方、プラスチック資源の循環利用に向けて容器包装をマテリアルリサイクルする上では、混在しているさまざまな原料を分離・抽出することが難しいため、再資源化による品質の低下は免れず、現状、その多くはカスケード利用※2を経て、最終的には焼却されています。そうした中、プラスチック容器包装の水平リサイクルを実現し、資源の循環利用を促進する手段の一つとして、原料を統一することによるリサイクル性の向上が求められています。

「スミクル®」は、特殊配合技術により、高い剛性を実現したPEです。従来、ナイロンやPETが使われていたプラスチック容器包装の基材層に適用し、PEのシーラント層と組み合わせることで、単一のプラスチック原料からなる容器包装を作ることができます。これにより、使用済みプラスチック容器包装のマテリアルリサイクルにおいて水平リサイクルが実現可能となり、化石資源使用量および廃プラスチックの焼却に伴う温室効果ガス排出量の削減に貢献します。また、容器包装の分別・回収スキームを含めたリサイクル体制の構築を進めるとともに、再生プラスチックを独自ブランド「Meguri®※3として販売する検討も進めます。

住友化学は、引き続き、リサイクル性を高めたプラスチック原料の開発に取り組むことで、プラスチックの再資源化において適用できる用途の幅を広げ、限りある資源のより有効・有用な循環を目指してまいります。

包装材料の構成例

資源循環のイメージ

※1 元の製品と同様の用途に適用可能な品質レベルの樹脂へと再生すること

※2 元の製品よりも品質が低い他の製品・素材にリサイクルすること。水平リサイクルと比較して容易に行うことができる

※3 リサイクル技術を活用して得られるプラスチック製品のブランド。ケミカルリサイクルまたはマテリアルリサイクル技術によって生産したポリエチレンやポリプロピレン、アクリル樹脂などのさまざまなプラスチック製品を展開していく予定としている

ご参考

2021年9月8日付リリース「リサイクルプラスチックブランド「Meguri」を立ち上げ」

以上

お問い合わせ

住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部
https://www.sumitomo-chem.co.jp/contact/public/