環境に配慮したエタノール由来ポリオレフィン製造に向けたエチレンの試験製造設備が完成
~サーキュラーエコノミーの確立を目指した新たな取り組み~
2022年04月11日
住友化学は、このたび、環境に配慮したエタノールを原料とするエチレンの試験製造設備を千葉工場(千葉県市原市)に新設いたしました。循環型社会に対応したポリオレフィンの事業化に向けた技術検証に取り組むとともに、サンプル提供などを通じて市場開拓を行い、サーキュラーエコノミーの確立を目指します。
ポリオレフィンなどのプラスチックは、人々の日常を支えるエッセンシャルな素材として、自動車や航空機、電子機器、各種包装材料などさまざまな用途に利用されています。一方、化石資源を原料としたプラスチック製品については、製造から使用後の処理までの過程で排出される温室効果ガス(GHG)の削減やその再資源化が、世界的に喫緊の課題となっています。
千葉工場に新設した試験製造設備は、サーキュラーエコノミーの取り組みで協力している積水化学工業株式会社が生産する“ごみ”資源由来のエタノールや、サトウキビやとうもろこしなどのバイオマスから作られるバイオエタノールを原料にエチレンを生産するものです。住友化学は、長年にわたり培ってきた研究開発や工業化技術のノウハウを生かし、環境に配慮したエタノールを原料にエチレンを生産する技術※1の実証と量産化の検討を行い、従来と同等の品質を持つポリオレフィンの製造に取り組み、2025年度の事業化を目指します。
住友化学は、当該ポリオレフィン製品について、環境に配慮した持続可能な製品としての上市に向けて、独自のCarbon Foot Print(CFP)の算出システムを活用して、ライフサイクルアセスメント(LCA)によるGHG排出量削減効果の見える化を行うとともに、マスバランス方式※2を適用し、原料から製品へと連なるサプライチェーン全体でISCC PLUS認証※3の取得に取り組みます。また、このような技術や製品についての情報提供やマーケティング活動を幅広く行うためのウェブサイトを開設します。社会からの認知や製品価値を高めるため、当社が昨年立ち上げた独自ブランド「Meguri®」※4として販売することも検討します。
住友化学は、2022~24年度の新中期経営計画において、総合化学の力を結集し、グリーントランスフォーメーション(GX)の実現を目指した事業ポートフォリオの変革を進めています。その一環として、さまざまなステークホルダーと共にプラスチック資源循環の取り組みを加速させ、循環型社会の実現に貢献してまいります。
※1 フランス国営のIFP新エネルギー研究所(IFPEN)100%子会社であるアクセンス社のAtol®技術
※2 ある特性を持った原料とそうでない原料が混合される場合に、特性を持つ原料の投入量に応じて、生産する製品の一部にその特性を割り当てる手法
※3 独立した第三者機関であるISCC(International Sustainability and Carbon Certification)による国際的な認証制度の一つで、マスバランス方式を適用し、バイオマス原料やリサイクル原料を使用した持続可能な製品について、サプライチェーン上で管理・担保するもの
※4 リサイクル技術を活用して得られるプラスチック製品の独自ブランド。ケミカルリサイクルまたはマテリアルリサイクル技術によって生産したポリエチレンやポリプロピレン、アクリル樹脂などのさまざまなプラスチック製品の商標として展開していく計画
環境に配慮したエタノール由来のエチレン試験製造設備
ご参考
以上
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