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住友化学とフランスのイゾルグ、有機光ダイオードの開発で提携

2019年07月01日

住友化学とイゾルグ社は、このたび、有機光ダイオード(OPD)を用いたスマートフォン用の指紋センサーおよび有機CMOSイメージセンサー(以下、「有機CMOSセンサー」)の開発において提携する契約を締結しました。

本契約は、有機半導体材料の開発で世界をリードする住友化学と、OPD技術を用いたデバイスや大面積イメージセンサーを世界に先駆けて開発したイゾルグ社が、2013年にスタートさせた協力関係をより深化させることを目的としたものです。住友化学は、指紋センサーや有機CMOSセンサー用のOPD材料を製造し、イゾルグ社に供給するとともに、同社の生産技術とマーケティングについて支援します。イゾルグ社は、パネルメーカーの協力を得て、これらセンサーの量産化を目指します。

このたびの住友化学とイゾルグ社の提携により生み出される指紋センサーは、軽量かつ薄膜で、塗布プロセスで製造できるため、大面積化が容易といった特長を有します。大面積の指紋センサーをスマートフォンの画面全体に組み込むことで、画面上のどの場所でも複数の指紋を検出・認証することが可能となり、利便性とセキュリティの向上が期待できます。また、有機CMOSセンサーは、住友化学のOPD材料が通常の可視光だけではなく、高感度に近赤外線の検出も可能なため、近赤外線用の高性能なカメラにも応用できます。両社は、これらのセンサーがセキュリティ、自動車、診断、家電用途などにおいても幅広く使用されるものと期待しています。

住友化学の副社長執行役員である上田博は、次のように述べています。「イゾルグ社とのパートナーシップにより、これまで困難であったスマートフォンの全画面指紋認証や有機CMOSセンサーの実用化に大きく前進します。当社は、新たな成長機会を捉えるべく材料の開発と工業化に取り組みます」

イゾルグ社の設立メンバーの一人でCEOのジャニーヴ・ゴメスは、次のように述べています。「今回、住友化学とともに指紋センサーおよび有機CMOSセンサーの開発ができることを大変光栄に思います。同社が持つリーダーシップ、海外拠点、そして、卓越した技術により、当社の顧客はより高品質な製品が得られるでしょう。私たちは顧客の要望に応えながら製品設計や用途開発を進められることを楽しみにしています」

住友化学とイゾルグ社は、顧客のニーズを満たす製品をいち早く提供できるよう、実用化に向けた取り組みを進めてまいります。

以上

住友化学について

石油化学、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品の5部門にわたり、幅広い産業や人々の暮らしを支える製品をグローバルに供給する日本の総合化学メーカーです。2018年度の連結売上高は約2.3兆円、グループ従業員数は約3万3000人です。
詳細は、住友化学のウェブサイトをご覧ください。https://www.sumitomo-chem.co.jp

イゾルグ社(Isorg)について

イゾルグ社は、広域光検出器やイメージセンサー用の有機・プリントエレクトロニクスを世界に先駆けて開発した企業です。さまざまな形状や形状要素を認識する、高性能の次世代3次元イメージセンサーを提供します。フレキシブルなイメージセンサーは、医療機器、IDセキュリティ、アクセス制御、IoT、家電などに応用されており、バイオメトリクスなどの用途では、初の高解像度(500 dpi)でフレキシブルな大型プラスチック指紋センサーを開発しています。2010年に設立され、フランスの新エネルギー技術とナノマテリアルの主要なイノベーションセンターであるCEA-Litenと提携しています。2014年には800万ユーロのシリーズB資金調達ラウンドが行われ、その後、2018年には2400万ユーロの資金調達がなされています。
詳しくは、イゾルグ社のウェブサイトをご覧ください。http://www.isorg.fr/

本リリースに関するお問い合わせ先

  • 住友化学株式会社
    コーポレートコミュニケーション部

    TEL:03-5543-5102
    sumika-kouhou@ya.sumitomo-chem.co.jp

  • Isorg
    Andrew Lloyd & Associates
    Carol Leslie

    TEL:(UK)+44-127-367-5100
       (FR)+33-1-5654-0700
    carol@ala.com