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2050年カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザインを策定 ~30年度GHG排出量50%削減の新目標と取り組みを決定~

2021年12月10日

住友化学は、このたび、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、取り組み方針や活動目標をはじめとするグランドデザインを策定いたしました。当社グループとして、温室効果ガス(GHG)排出量を13年度比で30年度までに50%削減、50年までにカーボンニュートラルの実現を目指します。当社は、30年度までの削減目標を50%に引き上げたことに伴い、21年12月10日、「2℃を十分に下回る水準(Well-below 2℃)」でScience Based Targets(SBT)イニシアチブの認定を改めて取得しました。認定された目標とカーボンニュートラルの実現に向け、総合化学企業として培ってきた技術力と知見を生かして科学的・論理的・定量的に裏付けされた取り組みを推進し、「責務」と「貢献」の両面からGHG排出量の削減を加速させます。

1. 住友化学グループのカーボンニュートラルに向けた取り組み方針

化学企業における使命として、「住友化学グループらしい」カーボンニュートラルに向けた取り組みを、「責務」と「貢献」の両面から推進する。
(1)当社グループのGHG排出量をゼロに近づける「責務」
(2)当社グループの製品・技術を通じた世界のGHG削減への「貢献」

2. カーボンニュートラルに向けた取り組み内容
(1)住友化学グループのGHG排出量をゼロに近づける「責務」

「責務」の目標
・30年度までに、当社グループのGHG排出量(Scope1+2)※4の50%削減(13年度比)を目指す
・50年までに、カーボンニュートラル(当社グループのGHG排出量ネットゼロ)実現を目指す

住友化学は、18年に総合化学企業として世界で初めてSBTイニシアチブの認定を取得しましたが、今回、30年度までのGHG排出量の削減目標を大幅に上積みし「Well-below 2℃」で改めて認定を取得しました。認定された目標に向け、科学的・論理的・定量的な視点に立脚した取り組みを推進し、GHG排出量(Scope1+2)を30年度までに50%削減することを目指します。目標達成のためには、省エネルギーの徹底に加え、Best Available Technology(BAT)の徹底活用が重要であることから、現在、愛媛工場内における液化天然ガス(LNG)発電所の建設や千葉工場での高効率なガスタービン発電設備の導入などを予定しています。これらの直接的なGHG排出量の削減を中心に当社グループ自らの力によるさまざまな取り組みを進め、30年度までに50%削減を目指します。また、この先「1.5℃目標」での認定再取得も視野に、さらなる削減量の上積みを追求していきます。

50年の目標達成のためには、既存の技術だけでの達成は困難であり、イノベーションが必要です。住友化学グループは、Carbon dioxide Capture and Utilization(CCU)※5やカーボンネガティブに貢献する革新的技術の開発と社会実装に向けて、さまざまな取り組みを推進し、50年までにカーボンニュートラルの実現を目指します。

(2)住友化学グループの製品・技術を通じた世界のGHG削減への「貢献」
当社グループは、さまざまなステークホルダーと連携して、世界のGHG削減に貢献する製品・技術のいち早い社会実装の実現を目指します。具体的には、3つの視点から、総合化学企業ならではの多面的なアプローチを推進していきます。

「貢献」における3つの視点
視点1. カーボンニュートラルに貢献する製品やソリューションを提供すること
視点2. さまざまなパートナーと連携の上、カーボンニュートラルに資する製品・技術の開発を促進し、早期の社会実装に向けた取り組みを自らがけん引していくこと
視点3. カーボンネガティブ技術の開発など、長期的な課題に挑むこと

視点1. カーボンニュートラルに貢献する製品やソリューションを提供すること
【具体的な取り組み】
① GHG排出量削減に資する製造技術・製品の提供
  ・独自の化学品製造技術のライセンス普及(併産物を伴わずエネルギー消費が少ないプロピレンオキサイド製造技術など)
  ・革新的な製品の提供(リチウムイオン二次電池部材など)
  ・上記技術・製品の「Sumika Sustainable Solutions」※6認定を通じた普及と販売拡大
② 製品のCarbon Foot Print(CFP)の評価 
・CFP評価ルールを整備し、独自計算システムを構築の上、当社の全製品のCFPの評価を21年12月末までに終了する 
・ステークホルダーに対して、当社製品のCFP評価結果を積極的に開示していくとともに、CFPの独自計算システムの無償提供も行い、GHG削減の推進に貢献する

 視点2. さまざまなパートナーと連携の上、カーボンニュートラルに資する製品・技術の開発を促進し、早期の社会実装に向けた取り組みを自らがけん引していくこと
【具体的な取り組み】
①  さまざまなパートナーと連携した炭素循環社会の構築
・プラスチックのマテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルの技術開発と社会実装
・リサイクルプラスチックブランド「MeguriTM」をはじめとする炭素循環市場の構築
② GHG排出量の削減につながる革新的製造プロセス技術の開発と早期の社会実装
・膜分離システムや排水処理システムなどの開発と社会実装

視点3. カーボンネガティブ技術の開発など、長期的な課題に挑むこと
【具体的な取り組み】
①  カーボンネガティブ技術の開発
・農業資材等を活用した土壌炭素貯留技術の開発など
②  CCU技術の開発
・CO2および合成ガスからのアルコール製造技術の開発など

3. プラスチック資源循環の取り組み
住友化学グループは、製造プロセスに使用したプラスチック再生資源の量について、30年度までに年間20万トンを目指します。マテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクル技術を活用して得られたプラスチック製品を新ブランド「MeguriTM」として展開するとともに、使用済み製品を処理し再資源化する「静脈産業」との提携も図りながら、社会実装に向けた取り組みを推進し、炭素資源循環に貢献していきます。

  • 顧客や同業他社、自治体等との連携体制の構築を図りながら、資源循環型プラスチック「MeguriTM」の製品ラインアップを展開します。
    その普及を通じて、温室効果ガス(GHG)排出削減をはじめとする環境負荷低減への貢献を目指します。

住友化学グループは、カーボンニュートラルに向けた取り組みについて、30年度までに約2,000億円の投資を見込んでいます。13年度からこれまでに、GHG排出削減につながる燃料転換や省エネルギー化などに約800億円の投資を意思決定しました。この先、30年度の目標達成に向けて、GHG排出削減用途に加え、カーボンニュートラルに貢献するケミカルリサイクルをはじめとする新規事業に対して、さらに1,200億円程度の投資を予定しています。

住友化学グループは、「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念の一つに掲げています。引き続きグループを挙げて、50年カーボンニュートラルをはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組んでまいります。

※1  当社および国内外の連結子会社を対象
※2 パリ協定で示された世界共通の長期目標。産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑制することを規定するとともに、1.5℃までへの抑制に向けた努力の継続に言及するもの
※3 パリ協定を実現するため、企業が科学に基づき設定した高水準なGHG排出削減目標
※4 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
       Scope2:工場外からの電力・熱の購入などによる間接的な排出
※5 工場などから排出されたCO2の回収・有効利用
※6  16年より開始した製品のライフサイクル全体の視点で、温暖化対策や環境負荷低減などに貢献する当社グループの製品・技術を複数の外部有識者による検証の上で認定し、その開発や普及を促進する取り組み。21年12月時点で57製品・技術を認定

 

以上

お問い合わせ

住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部
https://www.sumitomo-chem.co.jp/contact/public/