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再生・細胞医薬品の普及に向けて、マイオリッジと資本業務提携契約を締結

2022年04月25日

住友化学は、このたび、京都大学発のスタートアップ企業であり、細胞培養技術に強みを持つ株式会社マイオリッジ(以下、「マイオリッジ」)と資本業務提携契約を締結いたしました。両社の技術・リソースを組み合わせることで、細胞製品の品質向上や細胞培養のコストダウンなど、再生・細胞医薬品の普及に向けた取り組みを加速していきます。

細胞製品は、再生・細胞医薬品やバイオ医薬品として高い市場成長性が見込まれるほか、医農薬の開発支援や、食糧問題への解決策となり得る培養食品などへの活用も期待されていますが、その普及にあたっては、製品の品質や培養にかかるコストが研究開発・商業化上の課題となっています。マイオリッジは、iPS細胞の分化誘導技術や独自の培地スクリーニング技術をはじめ、細胞培養に関する幅広い技術を保有・開発しており、細胞製品を扱う企業が直面するさまざまな課題解決に貢献してきました。

住友化学は、再生・細胞医薬事業を、医薬品に関するこれまでの研究開発や、農薬の安全性試験などで培った細胞培養に関する基盤技術を生かせる有望な分野と位置づけています。子会社である住友ファーマ株式会社との間では、2020年9月、再生・細胞医薬分野の製法開発・製造などの受託(CDMO)事業を行う合弁会社「S-RACMO株式会社」を設立し、22年2月には、新設した再生・細胞医薬製造施設の稼働を開始するなど、事業拡大に取り組んでいます。今般、マイオリッジと提携することにより、当社グループとして再生・細胞医薬分野の事業化を一層推進するとともに、イノベーションエコシステムの構築を進め、新たな事業領域の開拓にも注力する方針です。

住友化学は、22~24年度の中期経営計画において「次世代事業の創出加速」を基本方針の一つに掲げ、「環境」「ヘルスケア」「食糧」「ICT」の4つの重点分野で新規事業の実現を目指しています。引き続きグループを挙げて、サステナブルな社会の実現に向けた技術開発と、新たな事業領域の開拓に取り組んでまいります。

※ iPS細胞など、ヒトまたは動物の細胞に培養などの加工を施したもの

マイオリッジについて

2016年に、京都大学の研究成果を基に設立されたスタートアップ企業です。新規低分子化合物を用いることで高価なタンパク質を必要とせずに、浮遊培養にて多能性細胞を心筋細胞へ分化誘導できる基盤技術を保有しています。本技術を活用したiPS細胞由来心筋細胞の販売のほか、自社で保有する各種タンパクや低分子化合物などの培地成分データベース、および独自の培地スクリーニング技術を活用した培地開発サービス、製造プロセス開発といった、再生医療等製品・バイオ医薬品・培養食品を開発する企業を対象としたサービスなど、多岐にわたる事業を展開しています。詳細は、ウェブサイトをご覧ください。

以上

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コーポレートコミュニケーション部
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