当社子会社における再生・細胞医薬CDMO生産能力増強に関するお知らせ
~第3棟が竣工、さらなる事業拡大を目指し第4棟を新設へ~
2025年08月05日
住友化学は、このたび、子会社であるS-RACMO株式会社(本社:大阪府吹田市、持分比率:当社 66.6%、住友ファーマ株式会社 33.4%。読み方:エスラクモ。以下「S-RACMO」)において、第3棟の再生・細胞医薬製造施設(通称「CRAFT※1」(読み方:クラフト、以下「本施設」))を竣工しました。本件は、旺盛な顧客需要により製造能力がひっ迫するなか、生産能力を高めるための設備投資の一環として実施したものです。今回の増設により生産能力は従来比約2倍となり、事業の持続的な成長を支えます。今後、さらなる事業拡大に向け、第4棟の新設なども予定しています。
S-RACMOは、再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などのCDMO※2事業を行う会社です。2020年の設立以降、住友化学が有するiPS/ES細胞の基盤技術や医薬品の受託製造に関するノウハウと、住友ファーマが再生・細胞医薬事業における長年の研究および複数のプロジェクトで培った高度な製法開発や製剤開発などのノウハウを活用し、再生・細胞医薬CDMOに関わるケイパビリティの蓄積および高度化に取り組んでいます。損益面でも2021年度以降4期連続の黒字、増益を着実に達成してきました。
S-RACMOは、本施設を使用する製造受託案件の引合いを複数獲得していることから、新たに約150億円を投資し、既存施設の設備増強や第4棟の新設などを行う計画です(以下、「本投資計画」)。本投資計画では、経済産業省の「令和 6 年度補正 再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金」※3も活用し、新規製品のタイムリーな受託、製造・開発・品質管理業務を行うエキスパート人材の育成などにも取り組みます。
さらに、S-RACMOは、当社の子会社である株式会社RACTHERA(本社:東京都中央区。持分比率:当社 66.6%、住友ファーマ 33.4%。読み方:ラクセラ。以下「RACTHERA」)がパーキンソン病を対象として開発を進める「非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞」(以下「本製品」)の製造も担います。本日お知らせのとおり※4、住友ファーマとRACTHERAは、住友ファーマを申請者として、本製品の国内における製造販売承認申請を行いました。 上記投資計画の一環として本製品の製造体制強化も行い、グループ一丸となってパーキンソン病治療への貢献を目指してまいります。
住友化学は、当面の成長ドライバーと位置づけるアグロ関連およびICT関連に続く次の 成長領域として、アドバンストメディカルソリューション部門の育成に中長期的な視点で取り組んでおり、S-RACMOが担う再生・細胞医薬CDMO事業をその中核の一つと位置付けています。
住友化学は、引き続きグループを挙げて再生・細胞医薬事業の拡大を推進するとともに、 新たな革新的治療法の開発・実用化に貢献してまいります。
※1 再生・細胞医薬製造施設「CRAFT(クラフト)」:Center for Regenerative Medicine and Future Therapy
※2 Contract Development and Manufacturing Organizationの略。顧客向けの製法開発、製造などの受託事業
※3 「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金」とは、再生・細胞医療・遺伝子治療製品を円滑に製造できる能力を国内に確保するため、CDMO (受託開発・製造事業者)の国内受託製造拠点の整備や製造人材育成に対して支援を行う事業。採択された事業者のうち、大企業等については補助対象経費の最大2分の1の助成を受けることができる(ウェブサイト:https://cdmo-hojo.jp/)
(ご参考)
2025年7月16日付 S-RACMOプレスリリース:
「令和 6 年度補正 再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金」採択について
※4 2025年8月5日付 住友化学プレスリリース:
「当社子会社におけるパーキンソン病患者を対象とするiPS細胞由来製品の製造販売承認申請に関するお知らせ」
以上
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