住友化学グループ 責任ある鉱物・原材料の調達方針

基本的な考え方

住友化学グループは、「住友化学グループ 人権の尊重に関する基本方針」のもと、サプライチェーン上人権への負の影響を生じさせることとなるリスクが高い原材料等(タンタル、錫、金、タングステン、コバルト、マイカ、グラファイト、パルプ等を含むがこれらに限られない)をハイリスク原材料と定義しています。
そして、ハイリスク原材料の採掘、精錬、製造、取引、取扱い、および輸出に関連して発生する可能性がある人権への負の影響のリスクを認識し、ハイリスク原材料の責任ある調達に関する以下の方針を定めます。
住友化学グループは、本方針を遵守するとともに、取引先にも住友化学グループの方針・考え方を理解し、遵守いただくことを要請します。

ハイリスク原材料に対する取組み

住友化学グループは、ハイリスク原材料の性質に応じて「OECD紛争鉱物および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」(OECDガイダンス)の趣旨にのっとり、以下6段階の枠組みで取組みを推進しております。

  1. 強固な企業管理システムの構築
    本方針を供給業者等外部に対して明確に説明し、ハイリスク原材料のサプライチェーン管理に関する責任者(経営上層部)および担当者を設置する。ハイリスク原材料の供給業者には、標準契約書、誓約書等を通じ、本方針の遵守の誓約を要請する。
  2. サプライチェーン内のリスクの特定・評価
    サプライチェーンの透明性システムを導入し、OECDガイダンス付属書Ⅱの趣旨に基づき、ハイリスク原材料の供給業者について、定期的にリスクを特定し、評価する。リスクを特定するにあたっては、①ハイリスク原材料の供給業者に供給源までのマップの作成を要請し、データベースを管理するとともに、②紛争地域、高リスク地域等の地理的特性に留意し、人権への負の影響の兆候が発見された場合、ハイリスク原材料の供給業者に対して追跡調査を実施する。
  3. 特定されたリスクに対応するための戦略を立案・実施
    特定されたリスク、およびリスク緩和の取り組み結果については、ハイリスク原材料責任者の判断により、リスク管理計画を作成し、以下のいずれかの措置を取る。
    ⅰ)リスク緩和の取り組みを継続する間を通じて取引を継続する
    ⅱ)リスク緩和の取り組みを継続する間は一時的に取引を停止する
    ⅲ)十分な協力を得られない、改善要求に従わない等、リスク緩和の試みが失敗した場合は、当該ハイリスク原材料の供給業者との取引関係を解消する
    リスク管理計画を実施し、リスクの所在、リスク緩和の取り組みの進行状況や内容を監視・追跡した上で、ハイリスク原材料責任者に報告し、決められた期間保管する。状況に変化があった場合には、特定されたリスクについて、追加的評価を実施する。
  4. サプライチェーン上人権への負の影響をより直接・効果に是正しうる立場にあるハイリスク原材料の供給業者に対して、当社または当社の指定する第三者によるサプライチェーンデュー・ディリジェンス監査を受けるよう要請する。
  5. 実施した取り組みについては、当社ホームページ、統合報告書、サステナビリティデータブック等を通じて対外的に開示する。また、必要に応じて、ハイリスク原材料の供給業者に対して、定期的に、取り組みの結果の報告を要請するとともに、サプライチェーンにおいて人権への負の影響の兆候が発見された場合、速やかに当社に通知し、是正の指示に従うよう要請する。
  6. ハイリスク原材料に関して、業界団体やイニシアティブと連携し、状況の変化に柔軟に対応する。

住友化学グループは、取引先におかれても、自ら以上の6段階の枠組みでの取り組みを推進するとともに、取引先の調達先にも同等の取り組みの推進を求めるよう要請します。