エコ・ファーストの約束

エコ・ファーストの約束

住友化学は、環境省が進める「エコ・ファースト制度」において、2008年11月に総合化学企業で初めて「エコ・ファースト企業」として認定されました。
2021年11月には、環境保全に関する新たな取り組みを反映して3度目の更新を行った「エコ・ファーストの約束」について環境大臣に宣言し、本約束に基づく取り組みを進めています。

  • エコ・ファーストの約束

結果

○:順調 / ●:おおむね順調

カーボンニュートラル社会の実現

2050年カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザイン策定

  • 2021年12月に、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、取り組み方針や活動目標をはじめとするグランドデザインを策定しました。住友化学グループ※1として、温室効果ガス(GHG)排出量を2013年度比で2030年までに50%削減、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指します。当社は、2030年までの削減目標を50%に引き上げたことに伴い、「2.0°Cを十分に下回る水準(Wellbelow 2.0°C)」※2でScienceBasedTargets(SBT)※3イニシアチブの認定を改めて取得しました。当社グループのGHG排出量をゼロに近づける「責務」と当社グループの製品・技術を通じた世界のGHG削減への「貢献」の両面からGHG排出量の削減を加速させます。

低炭素な燃料への転換や省エネなどの推進

  • 愛媛地区において石炭・重油からLNGへの燃料転換、千葉地区において石油コークスからLNGへの燃料転換を実施予定であり、これによりそれぞれ年間約65万トン、約24万トンのCO2削減を見込んでいます。なお、愛媛地区においては2022年3月からLNGの供給、11月から新設したLNG火力発電設備が運転を開始しました。また、クリーンアンモニアの活用の検討を行っています。

Sumika Sustainable Solutions推進

  • 地球温暖化対策や環境負荷低減に資する製品・技術等を社内認定する取り組みである"Sumika Sustainable Solutions"を推進しています。これまでに合計71製品・技術が認定され、これらの売上総額は6,828億円(2022年度連結)です。また、当社が販売・供与したSSS認定製品・技術の活用を通じて、社会でどの程度の量のGHGが削減されたかを定量的かつ科学的に算定する※4 "Science Based Contributions"の2022年度実績※5は、「技術」で270万トンCO2e(二酸化炭素換算値、以下同じ)、「最終製品」で560万トン、これらの合計で830万トンとなっています。

プラスチック資源循環の実現とプラスチック廃棄物の問題解決

プラスチックのマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの社会実装

  • 製造プロセスに使用するプラスチック再生資源の量をKPIとして設定し、2030年までに年間20万トンを目指します。
  • マテリアルリサイクルについては、2021年6月から、金属や自動車、家電などを扱う総合リサイクル企業であるリバーホールディングス株式会社と良質なプラスチック資源の回収と有効利用を目的に業務提携に向けた検討を開始しています。ケミカルリサイクルについては、2022年2月に、廃プラスチックやアルコール類からの化学品製造技術に関する4テーマがグリーンイノベーション基金事業※4に採択され、これまで以上に技術開発を加速させています。

社会貢献活動の実施および各種アライアンスへの参画

  • 2020年度以降、住友化学グループの全役職員を対象にプラスチック資源循環の基本に関するオリジナルの教育動画を展開するなど、プラスチック資源循環に関する諸課題を「自分事」として捉えることができるような教育・啓発を継続しています。また、各事業拠点においてごみの分別収集に日々取り組んでいます。加えて2022年度には、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底のうえ、国内16の事業拠点のうち14拠点において、延べ60回、事業所周辺地域の清掃や近隣河川・海岸清掃などの社会貢献活動を実施しました。
  • プラスチック廃棄物問題の解決に取り組む国際アライアンスであるAlliance to End Plastic Waste(AEPW)、海洋プラスチックごみ問題の解決に取り組む日本国内のアライアンスであるJapan Clean Ocean Material Alliance(CLOMA)への参画を通じて、プラスチックのバリューチェーンに携わる他者と連携しながら、世界に散在するプラスチック廃棄物高排出国におけるごみ収集インフラの整備事業など、個社では対応が難しい広範な社会的課題への対応にも取り組んでいます。

化学物質管理とリスクコミュニケーション

製品の安全性再評価、リスク評価の実施

  • 2022年度は56件の製品のリスク評価を実施しました。安全性要約書は、計58物質を公開しており、順次改訂を実施しています。

https://www.jcia-bigdr.jp/jcia-bigdr/material/icca_material_list

「LRI※5」への取り組み

  • 日本化学工業協会のLRI研究事業に、運営委員会の委員および研究戦略企画部会のメンバーとして積極的に参画し、研究推進を図りました。さらに、LRIとの連携も深いマイクロプラスチックタスクフォースにも参画して、意見具申を行っています。

情報公開およびコミュニケーションの充実

  • ウェブサイト、住友化学レポート、サステナビリティデータブック、環境・安全レポート(全工場)、地域広報紙などの発行、出前授業、インターンシップ、周辺地域の方々との対話などを実施しました。
  1. 当社および国内外の連結子会社を対象
  2. パリ協定で示された世界共通の長期目標。産業革命前からの気温上昇を2°C未満に抑制することを規定するとともに、1.5°Cまでへの抑制に向けた努力の継続に言及するもの
  3. パリ協定を実現するため、企業が科学に基づき設定した高水準なGHG排出削減目標
  4. 当社はScope1および2について「責務」として自力で削減に取り組む一方、SBCはこれとは一線を画し、当社技術最終製品の他者提供を通じて社会のGHG排出量削減への貢献を見える化するもの
  5. 2022年度の該当技術製品に関する算定の考え方は次のとおり
    <技術>
    プロピレンオキサイド(PO)単産法は塩素法等の他製法平均と、塩酸酸化法は食塩電解法と比較。
    ライセンシーにおける削減貢献を算定。
    <製品>
    メチオニンは、無添加飼料と比較。鶏排泄物中のN2O削減貢献を算定。
    スミソーヤは、大豆栽培における従来農法と比較。米国での不耕起栽培による削減貢献を算定。
    種子処理剤および水稲箱処理剤は、従来農法と比較。使用回避できた農薬による削減貢献を算定。
  6. 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、経済産業省がNEDOに2兆円の基金を造成し、野心的な目標にコミットする企業などに対して、10年間にわたり、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する事業
  7. LRI(Long-range Research Initiative):
    化学物質が人の健康や環境に及ぼす影響に関する研究の長期的支援活動