基本的な考え方
サステナブル調達の方針
住友化学グループは、取引先との相互発展的で健全な関係を構築することに努めています。公正・公平かつ透明性を確保した取引を自ら行うことはもちろんのこと、人権尊重とコンプライアンス重視の精神で、取引先にもサステナビリティへの取り組みを励行していただけるようにサプライチェーン全体を通してサステナブル調達の取り組みを推進しています。サステナブル調達の方針と考え方は「購買基本理念」および国内外のグループ会社における購買業務のガイドラインとなる「グループ購買業務標準」にも明文化しています。
購買基本理念(概要)
- 公正・公平・透明で自由な競争に基づき、個人的な利害関係や恣意の入らない取引を行うように努めます。
- 最適な経済合理的方法に基づいて発注先の決定を行うとともに、相互発展を目指した健全な取引関係の維持に努めます。
- グループ全体におけるグローバル規模のコーポレートサービスの実現に努めます。
- 企業の社会的責任の遂行と取引先との健全な関係構築を目指し、サステナビリティに取り組んでいる取引先からの優先的な調達に努めます。
- 常に品質ニーズを満たし、それ以上の付加価値サービスの提供に努めます。
- 購買業務においては安全・安定操業を全てに優先させ、無事故、無災害の実現に努めます。
- 顧客満足を第一に考えた購買業務の実施に努めます。
- 購買業務の透明性を確保することに努めます。
住友化学グループ 責任ある鉱物・原材料の調達方針(2020年3月17日制定)
住友化学グループは、「住友化学グループ 人権の尊重に関する基本方針」のもと、サプライチェーン上人権への負の影響を生じさせることとなるリスクが高い原材料等(タンタル、錫、金、タングステン、コバルト、マイカ、グラファイト、パルプ等を含むがこれらに限られない)をハイリスク原材料と定義しています。そして、ハイリスク原材料の採掘、精錬、製造、取引、取扱い、および輸出に関連して発生する可能性がある人権への負の影響のリスクを認識し、ハイリスク原材料の責任ある調達に関する以下の方針を定めます。住友化学グループは、本方針を遵守するとともに、取引先にも住友化学グループの方針・考え方を理解し、遵守いただくことを要請します。
マネジメント体制
サステナブル調達の方針のもと、サステナブル調達に関する計画を策定・実行するとともに、事業部購買やグループ会社とも共有しています。また、サステナブル調達の方針と考え方については国内外のグループ会社における購買業務のガイドラインとなる「グループ購買業務標準」にも明文化し、グループ全体で取り組みを推進しています。
目標・実績
2020年度 グループ全体の取り組み
主な取り組み | 内容 |
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グループ情報交換会 2回 |
参加会社:22社
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全社購買連絡会 2回 |
参加者:事業部購買責任者
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購買担当者教育 |
対象者:購買担当者全員(新入社員、転入者含む)
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2020年度 取引先への取り組み
主な取り組み | 内容 |
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サプライヤーWeb説明会 |
参加会社:2,331社(資機材、原材料の取引先)
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取引先懇談会 |
参加会社:27社(主要資機材取引先)
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取引先情報交換会 |
参加会社:10社(主要原材料取引先)
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既存取引先評価 |
対象:原材料購買実績上位90%を占める既存取引先すべて |
新規取引先評価 |
新規取引先のデュー・ディリジェンス実施率:100% |
監査 |
品質監査などに合わせたモニタリング実施数:6件(新型コロナウイルス感染症の影響により、いずれも書面監査。サステナブル調達チェックシートにて問題無いことを確認済) |
ハイリスク原材料に関する取り組み |
「住友化学グループ 責任ある鉱物・原材料の調達方針」に則ってデュー・ディリジェンスを実施中。紛争鉱物(金、タンタル、タングステン、錫)、コバルト、マイカについては、RMI(Responsible Minerals Initiative)が発行するテンプレート※5を、その他ハイリスク原材料についてもほぼ同等の書式を使用し、これらを含む原材料の全取引先に回答を依頼中。
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- 購入する原料の製造段階、輸送段階などでの排出
- 購入原料などの温室効果ガス排出量(重量ベース)で90%を占めるサプライヤーが対象
- SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標
- 住友化学グループサステナブル調達チェックシートの回収率
- 紛争鉱物(金、タンタル、タングステン、錫):CMRT(Conflict Minerals Reporting Template)、コバルト:CRT(Cobalt Reporting Template)、マイカ:MRT(Mica Reporting Template)
取り組み事例
サステナブル調達の取り組み
住友化学は、ウェブサイトの「購買情報」に「サステナブル調達」のページを設け、サステナブル調達の取り組みを広くステークホルダーにお知らせしています。また、このページには、サプライヤーの行動規範となる「住友化学グループサステナブル調達ガイドブック」および全項目について取引先で自己評価ができる「住友化学グループサステナブル調達チェックシート」を掲載しており、取引先の皆さまが、サステナブル調達ガイドブックやサステナブル調達チェックシートをダウンロードでき、自己評価結果を報告できるようにしています。
住友化学グループサステナブル調達チェックシート
0 サステナビリティへの取り組み全般
会社の経営方針にサステナビリティ重視が明確化されているか、サステナビリティ推進体制と責任者が決められているか、サステナビリティへの取り組み状況を社外に公表しているか、自社の取引先にサステナビリティへの取り組みを啓発しているかについてチェックしています。
Ⅰ 法令遵守・倫理
各種業法(REACHなど国内外の法令含む)の遵守、競争制限的行為の禁止、優越的地位の濫用の禁止、汚職・賄賂などの禁止、不適切な利益供与および受領の禁止、知的財産の尊重、不正行為の予防・早期発見、個人情報、顧客・第三者の機密情報の漏洩防止について、適切な管理がされているかチェックしています。
Ⅱ 人権・労働
人権の尊重、差別の禁止、適正な労働時間、従業員の団結権の尊重、強制的な労働の禁止、児童労働の禁止、適切な賃金について、適切な管理がされているかチェックしています。
Ⅲ 防災・安全衛生
緊急時の対応、機械装置の安全対策、職場の安全、職場の衛生、従業員の健康管理について、適切な管理がされているかチェックしています。
Ⅳ 環境の保全
環境マネジメントシステムの構築・運用、製造工程で用いる化学物質の管理、環境許可証/行政認可、環境への影響の最小化(排水・汚泥・排気など)、廃棄物削減、資源・エネルギーの有効活用(3R※)について、適切な管理がされているかチェックしています。
Ⅴ 品質・製品安全
品質マネジメントシステムの構築・運用、製品に含有する化学物質の管理、正確な製品・サービス情報の提供、製造工程変更の事前相談と規格・仕様の遵守について、適切な管理がされているかチェックしています。
- 3R:Reduce(廃棄物の発生抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)の3つのRの総称
「住友化学グループサステナブル調達ガイドブック」
「住友化学グループサステナブル調達チェックシート」
サプライチェーンにおけるサステナブル調達推進
新規の全ての取引先には「住友化学グループサステナブル調達ガイドブック」にて住友化学の方針・考え方を理解いただくとともに、事前に「住友化学グループサステナブル調達チェックシート」を提出いただくことにより、遵守状況のデュー・ディリジェンスを実施し、評価判定が良好であることを確認した後に取引を開始しています。また、取引開始後は、当社が遵守状況を定期的にモニタリングし、サステナビリティに取り組んでいる取引先からの優先調達に努めることとしています。モニタリング結果はデータ管理し、定期的に内容を確認しています。また、サステナブル調達チェックシートの回答で取り組みが不十分であると判断される取引先に対しては、改善計画の確認等を行うなどのフィードバックを行うことでサステナブル調達への理解と協力をお願いしています。なお、人権等の重要な取り組みに対し、長期にわたり改善が見られない取引先は、高リスク業者としてより重点的にフィードバックとモニタリングを実施します。
また、原材料の主要取引先に対して住友化学グループサステナブル調達ガイドブック/チェックシートを送付・回収し、その回収状況をサステナブル調達率として管理しています。
サプライチェーンにおけるサステナブル調達推進の仕組み
ハイリスク原材料に関する取り組み
コンゴ民主共和国(DRC)および周辺諸国において、非人道的武装勢力の資金源となる可能性が指摘されている紛争鉱物については、従来「紛争鉱物不使用の調達方針」のもと、定期的に、金、タンタル、タングステン、錫を含むすべての原材料を社内データベースより抽出し、そのすべての取引先に対し、CMRT※を送付して回答いただくことで、紛争に関与していないこと(コンフリクトフリーであること)を確認しています。
もし取引先への確認の結果、問題があると判断された場合は、改善要請や紛争鉱物の調達を停止するなどの適切な措置を講ずることとしていました。
住友化学グループでは、この紛争鉱物不調達の取り組みをさらに進め、2020年3月に「住友化学グループ 責任ある鉱物・原材料の調達方針」を制定しています。この方針では、サプライチェーン上で人権への負の影響を生じさせるリスクが高い原材料等(タンタル、錫、金、タングステン、コバルト、マイカ、グラファイト、パルプ等を含むがこれらに限られない)をハイリスク原材料として定義するとともに、そのハイリスク原材料の性質に応じて、「OECD紛争鉱物および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」(OECDガイダンス)の趣旨に則った取り組みを推進することとしています。この調達方針に則り、ハイリスク原材料を特定し、デューディリジェンスの実施を進めています。
- CMRT(Conflict Minerals Reporting Template):RMI(Responsible Minerals Initiative)が発行する報告用テンプレート
グループ全体のサステナブル調達推進
国内外グループ会社の購買代表者と定期的に情報交換会を実施し、グループ全体でのサステナブル調達推進について協議しています。加えて、コミュニケーションを円滑に進めるべく、グループ会社との情報共有サイトを開設して相互に情報を発信・共有し、グループ全体としてのサステナブル調達の浸透・推進を図っています。
お取引先の皆さまへ
お取引先(サプライヤー)は住友化学にとって重要なパートナーであり、住友化学だけでなく、お取引先の理解・協力を得て初めて、サプライチェーン全体としてサステナビリティを推進できると考えております。住友化学では、サステナビリティ推進に向け、原料・包材のお取引先の皆さまに、取り組んでいただきたい5つの取り組みを「住友化学グループサステナブル調達ガイドブック」にまとめました。お取引先(サプライヤー)の皆さまには、「購買基本理念」を十分にご理解いただくとともに、当ガイドブックに基づいたご対応をよろしくお願いいたします。
今後に向けて
住友化学グループは、サステナビリティ推進基本原則に沿って、人権尊重とコンプライアンス重視の精神で、引き続き取引先との連携・協調を強化し、サステナビリティを推進していきます。
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